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[ACL]宇佐美、衝撃のデビュー弾も敗戦に「意味のないゴール」

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[5.20 ACL第6節 G大阪1-2FCソウル 万博]

 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)は20日、グループリーグ最終節を行い、すでにF組首位突破を決めているガンバ大阪はホームでFCソウル(韓国)と対戦。17歳14日のクラブ史上最年少デビューを果たしたMF宇佐美貴史(17)がプロ初先発で初ゴールを決めたが、終盤に逆転され、1-2で敗れた。ここまでACL19戦無敗(15勝4分)だった前回王者にとって、06年大会以来、20試合ぶりの黒星となった。6月24日の決勝トーナメント1回戦ではH組2位の川崎Fとホームで対戦する。

 G大阪は消化試合ということもあり、主力メンバーの大半を温存した。16日の浦和戦(0-0)に先発した11人のうち先発はDF中澤聡太だけで、あとの10人はベンチ外。MF稲本潤一の持つ17歳5ヵ月18日を超えるクラブ史上最年少での公式戦デビューとなった宇佐美は左MFに入った。
 システムは4-4-2で、GK松代直樹、4バックは右からパク・ドンヒョク、中澤聡太、高木和道、安田理大と並んだ。中盤は武井択也と倉田秋がダブルボランチを組み、右に寺田紳一、左に宇佐美。播戸竜二と山崎雅人が2トップを組んだ。

 最初のチャンスは宇佐美の右足からだった。前半11分、左サイドから中に切れ込むと、思い切りよく右足を振り切った。強烈な弾丸ミドルはGKに弾かれ、ゴール前につめた山崎のシュートもGKの好セーブに阻まれたが、挨拶代わりのシュートでソウルゴールを脅かした。

 前半18分には高い位置でボールを奪った寺田がそのままドリブルで持ち込み、GKと1対1になる絶好機を迎えたが、GKが好セーブ。前半のチャンスはこの2回で、前線の2トップにボールが収まらず、なかなか厚みのある攻撃ができなかった。急造メンバーの影響か、ビルドアップもスムーズさを欠き、宇佐美もいい形でボールを引き出せなかった。

 後半に入ると、徐々に落ち着きを見せ始め、G大阪らしいショートパスがつながり出す。そして後半19分、倉田の絶妙なスルーパスに宇佐美が反応。DFラインの裏に抜け出すと、太腿でボールを前方に押し出し、GKとの1対1を冷静に右足で流し込み、先制点を奪った。

 プロデビュー戦で圧巻の初ゴール。17歳14日でのゴールはもちろんクラブ史上最年少で、3月20日の上海申花戦でプロ初ゴールを決めたFW大迫勇也(鹿島)を抜き、ACL史上、日本人最年少でのゴールとなった。

 しかし、グループリーグ突破のためには勝つしかないソウルも反撃に出る。後半29分、カウンターから右サイドを崩し、折り返しをFWデヤン・ダムヤノヴィッチが押し込んで同点に追いついた。

 G大阪にはその後も勝ち越すチャンスはあった。後半38分には播戸が決定的な左足ボレーを放ち、同42分にもカウンターから山崎が決定機を迎えた。しかし、いずれのシュートもGKに阻まれ、チャンスを生かせない。逆に後半ロスタイム、セットプレーのこぼれ球から最後はMFキム・ハンユンに決められ、1-2と逆転を許した。

 宇佐美は試合後のインタビューで「点は取れたけど、負けたので意味のないゴールになった」とコメント。プロ初ゴールにも喜び切れない様子だったが、「点を取れたことは自信につながるし、前向きに考えたい」と話し、西野朗監督も「メモリアルなゴールになっただろうし、これからにつながる時間だったと思う」と評価していた。

(文 西山紘平)

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