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[ACL]中田が決勝ヘッド、悲願のアジア制覇へ鹿島が白星発進

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[2.23 ACL第1節 鹿島1-0長春亜泰 カシマ]

 AFCチャンピオンズリーグ2010(ACL)が23日、開幕し、グループリーグE、F組の第1節が行われた。悲願のアジア制覇を目指すF組の鹿島アントラーズはホームで長春亜泰(中国)と対戦。前半42分、MF中田浩二が先制点を決めると、そのまま1-0で逃げ切った。

 鹿島は昨年6月の決勝トーマネント1回戦で退場処分を受けたMF小笠原満男が出場停止で、ボランチではMF青木剛が先発。新加入のDFイ・ジョンス、MFフェリペ・ガブリエルも先発し、DFジウトンはベンチスタートだった。GK曽ヶ端準、4バックは右から内田篤人、岩政大樹、イ・ジョンス、新井場徹。中盤は青木剛と中田浩二のダブルボランチで、右に野沢拓也、左にフェリペ・ガブリエルが入り、興梠慎三とマルキーニョスが2トップを組んだ。

 長春は1トップのFWジョニーを残して守備を厚くし、DFカバジェロをリベロに置いた5-4-1という守備的なシステムを採用。鹿島はボールを回して主導権を握れたが、スペースを消してブロックを敷く相手の守備組織をなかなか破れなかった。

 前半20分には細かくパスをつないで右サイドを崩したが、内田のクロスはわずかに長くなり、味方選手に合わない。マルキーニョスが遠めから狙うシーンもあったが、攻撃は単発。新戦力を加えた連係面や2月という時期的な問題もあってか、息の合わないパスミスも目立った。

 前半38分には内田、フェリペ・ガブリエル、興梠とダイレクトでつなぎ、最後はこぼれ球をフェリペ・ガブリエルが狙うが、シュートはGK正面へ。両サイドバックが高い位置を取り、中田もボランチから積極的に前線に飛び出すなど攻撃に厚みを加え、相手に圧力をかけると、前半42分、セットプレーから均衡を破った。

 右サイドからの野沢のFKに合わせたのは中田。相手DFの前に走り込む絶妙な動き出しからヘディングで角度を変え、ゴールネットを揺らした。

 1点ビハインドとなった長春はハーフタイムに2選手を交代。5-4-1という基本的な形は変わらなかったが、攻撃時はサイドの選手が前半よりも高い位置を取って3-4-3にシフトするなどリスクを冒して同点を狙ってきた。

 相手が前に来ることでスペースも空き始め、鹿島としてもやりやすくなった。サイドを揺さぶってスペースを突き、追加点のチャンスをうかがう。前半よりも攻撃に迫力は生まれたものの、長春もゴール前での守りは固く、なかなか突き放せなかった。

 鹿島は後半29分、左足をつってしまったフェリペ・ガブリエルに代えてMF遠藤康を投入。同40分には内田に代わってDFジウトンが入り、新井場が右サイドバックに回った。同45分にはマルキーニョスを下げ、FW大迫勇也がピッチに入った。

 結局、追加点は奪えなかったが、岩政とイ・ジョンスの日韓代表センターバックコンビは1対1で抜群の強さを発揮。ラインコントロールが乱れる場面もあり、攻撃面でも試合内容に課題は残したものの、2010年シーズンの初陣を1-0の完封勝利で飾った。

(取材・文 西山紘平)

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