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[ACL]先発8人入れ替えの広島がアジア王者を撃破

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[4.27 ACL第6節 広島4-3浦項 広島ビ]

 ACLは27日、グループリーグ最終節を行い、H組ではすでにグループリーグ敗退が決まっているサンフレッチェ広島が、首位通過のかかっていた浦項スティーラーズ(韓国)に4-3で勝ち、最終戦を白星で飾った。大幅にメンバーを入れ替えた広島は前半にMF大崎淳矢、FW李忠成、MF桑田慎一朗がゴール。3-1で折り返した後半に2点を失い、同点に追い付かれたが、最後はトリックPKでDF槙野智章が決勝点を奪った。

 広島は24日の新潟戦からDF槙野智章、DF中島浩司、DF横竹翔を除く先発8人を変更。3-6-1のシステムで、GK中林洋次、3バックは槙野、中島、横竹。中盤は岡本知剛と丸谷拓也のダブルボランチ、右に石川大徳、左に清水航平、トップ下に桑田慎一朗と大崎淳矢が入り、1トップは李忠成だった。

 若手主体で臨んだ広島だが、普段出番に恵まれてない選手たちが躍動した。開始42秒、桑田が高い位置でボールを奪い、李につなぐと、李からのラストパスを受けた大崎が右足でゴールに流し込む。電光石火のゴールで先制点を奪った。

 浦項は直後の前半4分、ドリブルで切れ込んだFWアウミールのシュートがDFに当たってゴール前に浮いたボールをMFキム・ジェソンが頭で押し込み、試合を振り出しに戻したが、広島の勢いは止まらなかった。

 前半30分、清水の左CKからフリーの李が強烈なヘディングシュートを叩き込み、再び勝ち越すと、同42分には中盤で競り合ったセカンドボールを大崎が倒れ込みながら前線にスルーパス。これに抜け出した桑田がGKとの1対1を冷静に左足で決め、3-1と突き放した。

 前半45分にはGK中林がPA内でFWアレシャンドロを倒してしまい、PKを与えたが、アレシャンドロのPKを中林が見事にセーブ。3-1で前半を折り返した。

 後半に入ると、浦項が猛反撃。立ち上がりの2分、DFキム・グァンソクの左クロスにキム・ジェソンが頭で合わせ、1点差に迫ると、後半17分にはFKからMFシン・ヒョンミンが弾丸シュートを突き刺し、3-3の同点に追いついた。

 広島は後半24分、一気に3選手を交代する。岡本、清水、大崎を下げ、MF高柳一誠、MF山岸智、FW佐藤寿人を投入。攻撃的なカードを同時に3枚切り、あくまで勝利にこだわった。

 すると、後半34分、佐藤のパスに走り込んだ中島がPA内でMFキム・テソに倒され、PKを獲得。キッカーの佐藤は軽くボールを前に蹴り出し、PA外から走り込んだ槙野が右足で蹴り込むトリックPKを成功させ、4-3と再び勝ち越した。

 PKの場面でキム・テソがこの日2枚目の警告で退場となった浦項は残り時間、10人での戦いを余儀なくされた。後半ロスタイムにはFKからDF岡山一成が強烈なヘディングシュートを放ったが、GK中林が好セーブを見せ、広島がそのまま逃げ切った。

 序盤の3連敗が尾を引き、グループリーグ敗退となった広島だが、後半戦は3連勝。この日は若手が奮闘し、アジア王者を撃破するなど価値ある勝利となった。

 李は試合後のインタビューで「ベンチの選手も、ベンチ外の選手も、これだけ活躍できるんだということを見せられたと思う。皆さんの予想を裏切って、期待に応えた感じで、うれしい」と興奮冷めやらぬ様子。ゲームキャプテンを務めた槙野は「決勝トーナメントに行きたかったけど、リーグ戦、天皇杯と勝って、来年もしっかりACLに行けるように頑張りたい。これからリーグ戦は厳しくなると思うけど、今日みたいにチーム一丸となって戦っていきたい」と力を込めていた。

(文 西山紘平)

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