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「楽しもうと思って入った」、プロ5年目の小谷野がプロ初先発

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[5.10 ACL第2節 鹿島2-1シドニーFC 国立]

 ほどよい緊張感が体を包んだ。プロ5年目で待ちに待った公式戦初先発。鹿島アントラーズのMF小谷野顕治は後半15分にベンチへ下がるまでピッチを駆け回った。

「試合に最初から出るということをずっと自分の目標にしていた。とにかく楽しもうと思って入った」

 立ち上がりはシドニーFCの勢いの押され、チームとしてミスも多く、なかなか効果的な崩しを見せられなかった。「最初は守備に追われてきつかったけど、時間がたってだいぶ自分のペースでできるようになった」。トップ下に入り、徐々に持ち味のドリブルで仕掛けるシーンをつくると、前半31分には積極的にミドルシュートを放った。

 それでもなかなか決定機には至らず。「前の動きが止まっていた部分もあった。自分たちが裏に出たりして深さをつくらないと、出す方も出しづらい。足元、足元になっていた」と反省する。後半はMF野沢拓也がトップ下にポジションを移し、小谷野はサイドに回る時間が増えた。

「ポジションにこだわらずに、流動的にやろうと思った。ボールに絡む回数が少ないと、自分のプレーを出せない。運動量を増やして、間で受けたり、裏で受けたりしたかった」。0-1の後半15分に交代。チームはその後、逆転勝利をおさめた。

 プロ初先発の喜びも、悔しさも味わった。「初めての経験でモチベーションも上がったし、こういう中でゴールとか結果が出せればもっと気持ちいいだろうなと思った。また向上心を持ってやっていきたい」。この日の経験を無駄にすることなく、先発定着を目指してアピールを続けていく。

[写真]公式戦初先発の小谷野

(取材・文 西山紘平)

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