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[クラブユース選手権U-18]横浜FMユースがG大阪ユースに競り勝ち2年連続決勝へ

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[8.2 日本クラブユース選手権準決勝 横浜FMユース2-1G大阪ユース 三ツ沢陸上]

 第37回全日本クラブユースサッカー選手権(U-18)は2日、三ツ沢公園陸上競技場で準決勝を行い、横浜F・マリノスユース(関東2/神奈川)がガンバ大阪ユース(関西3/大阪)に2-1で競り勝ち、2年連続となる決勝進出を決めた。3日の決勝ではサンフレッチェ広島ユース(中国1/広島)と対戦する。

「内容的には後ろ向きな部分がある」。試合後、横浜FMユースの松橋力蔵監督は思わず、そう漏らした。選手が次々と傷んでピッチを去っていく展開。「コンディション的にかなりきつい部分もあったと思うけど、ここまで足をつる選手が出たのは内面的なものも大きかった」。タイトルへの渇望、地元で戦うことによる気持ちの高揚が、逆に選手を追い込む部分もあったのだろう。特に前半から足を気にしていたというDF上野海、DF長田健の両CBを交代せざるを得なかったことは、采配を難しくした。

 横浜FMユースは前半15分、MF武颯が左サイドのスペースに動いてスローインを受け、後方に小さく落とす。「武は身体が強いので、絶対にこぼれてくると信じて走っていた」というMF汰木康也が右足を振ると、DFをかすめたシュートがGKの逆を突いてゴールイン。早い時間帯の先制点となった。

 対するG大阪ユースは前半途中にMF井手口陽介とMF市丸瑞希の位置を入れ替え、井手口がボランチに移る。横浜FMユースの松橋監督が「(井手口が)ボランチに入ると、いいボールがワンタッチで入ってくる」と警戒していたとおりの展開となった。1点ビハインドで折り返した後半は浪速のタレント軍団が流れをつかみ、後半5分には市丸がエリア左から際どいシュート。同8分のFW高木彰人のシュートはDFにブロックされたが、どちらも決定機だった。そして迎えた後半14分、井手口の直接FKが左ポストに当たった跳ね返りをDF和田一真が右足で押し込み、同点ゴール。ついに試合を振り出しに戻した。

 同点に追いつかれ、選手が次々と足をつる中でも、横浜FMユースは粘りの試合運びを見せた。後半27分、汰木の左クロスをFW深澤知也が後方にうまく落とし、途中出場のMF新里涼が抜け出す。右足で流し込み、2-1と勝ち越しに成功した。

 横浜FMユースは後半45分、CBの長田が交代し、右SBの福田圭佑がCBに回り、DF未経験の深澤が右SBにポジションを下げるスクランブル状態。“守備固め”とは程遠い苦しい布陣だったが、総力戦で耐え抜き、2-1のままタイムアップを迎えた。

 松橋監督が勝利の立役者として名を挙げるのは、前回大会準優勝に導き、現在はトップチームでプレーするMF喜田拓也。三ツ沢に戻るという一つの目標を達成し、自宅に帰った選手たちは前日の練習で緩い様子を見せていたのだという。しかし、それをマリノスタウンで目にした喜田が後輩たちに厳しい言葉をかけた。「僕に説教されている以上に神妙な表情になった」(松橋監督)という選手たちの気持ちに再びスイッチが入った。

 決勝の相手は広島ユース。松橋監督は就任直後から「広島には絶対に負けたくない」という強い思いを胸に秘めてきた。都会的で、スマートなチームという評価を好まず、「上手くて、強くて、タフ」なチームを目指してきた指揮官にとって、広島ユースは一つのお手本だった。決勝の舞台は地元・ニッパツ三ツ沢球技場。1年前、柏U-18に敗れて準優勝に終わったリベンジを果たし、13年ぶりの優勝で“上手くて、強くて、タフなマリノスユース”をアピールしたい。

(取材・文 大島和人)

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