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6月以降複数得点のなかったFC東京U-18が4発大勝!仙台ユース下し、決勝T進出に大きく前進

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FC東京U-18が4発快勝した

[7.25 日本クラブユースサッカー選手権U-18大会F組第2節 FC東京U-18 4-0 仙台ユース 大渡緑地]

 25日、日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会グループステージ第2節の各試合が群馬県内各地で行われた。大渡緑地多目的広場では関東第4代表のFC東京U-18が、東北第1代表のベガルタ仙台ユースに4-0で勝利した。

 前日の第1節でFC東京U-18はロアッソ熊本ユースと対戦し0-0で引き分けたが、新型コロナウイルス感染症の影響で、熊本ユースが第2節以降の試合を辞退。FC東京U-18は第1節の試合結果が無効となり、この試合と28日の第3節ジュビロ磐田U-18戦にグループステージ突破をかけることとなった。一方の仙台ユースは第1節で磐田U-18と対戦し、MF小林亮太(3年)とMF小野獅道(3年)のゴールで2-1で勝利。引き分け以上で自力でのグループステージ突破を決められる状況だった。

 前半立ち上がりは各年代別代表を多く擁するFC東京U-18が攻め立てる展開となる。仙台ユースもキャプテンDF阿部駿也(3年)と、MF登録だがセンターバックに入るMF高橋櫂(3年)を中心に粘り強い守りを見せる。そんな中で前半10分、FC東京U-18はMF伊藤ロミオ(2年)のCKからニアサイドにいたU-16日本代表MF永野修都(1年)がヘディングシュートを決めて先制する。

 永野は「今、チームがあまり勝てていない状況で、どうしても先制点を取りたいと思っていました。良いボールが入ったので絶対決めてやるという気持ちで飛び込みました」と得意のヘディングでゴールを決め、「点が取れてシンプルにすごく嬉しかったです」と普段あまりやらないというゴールセレブレーションで喜びを爆発させた。

 さらにFC東京U-18は前半27分、U-19日本代表FW熊田直紀(3年)が阿部にペナルティエリア内で倒されてPKを獲得。熊田が落ち着いて決めて2点目が入る。さらに同33分にはまたも伊藤のCKから、今度はフリーでファーサイドにいたMF渡邊翼(2年)が「CKで何本か良いボールが入っていたので決めたいなと思っていたら、マークがいなかった。手を広げて(伊藤)ロミオに気づくようにしたらファーに良いボールが来たので、決めるだけでした」と右足を振り抜きゴール。全てセットプレーによる得点でFC東京U-18が前半で試合の流れを決めた。

 仙台ユースは後半、トップ2種登録のDF山田泰樹(3年)が積極的にオーバーラップを仕掛けたり、シュートを放ったりなどいくつかチャンスをつくったが、FC東京U-18は逆にDFラインの背後を突く。そして後半14分、U-16日本代表MF佐藤龍之介(1年)がインターセプトからゴール前にドリブルで突進してのシュートで、ダメ押しの4点目が決まる。試合はこのままFC東京U-18が大勝。第3節の磐田U-18戦で8点差以上の大敗をしなければグループステージ突破が決まるため、大きな1勝となった。

 快勝したFC東京U-18だが、直近のプレミアリーグEASTは3連敗。また6月以降の公式戦は複数得点もなかった。前日の無効試合となった熊本ユース戦も0-0の引き分けと苦しい状況だった。奥原崇監督は「リーグ戦や昨日不成立となった試合も勝てていない状況の中、チームとしてのまとまりで相手を上回れるかが大きな課題でした。早い時間に点を取れてチームがまとまっていく勇気を得られたのが大きかった」と語り、先制点を早い時間に取れて、団結力を持って戦えたのが大きかったという。

 その先制ゴールを決めた永野も「スタッフや選手全員で声を出して、今日に向けて良い雰囲気づくりができていましたし、個人個人がこの試合で絶対勝つために、昨日の夜の過ごし方もみんな意識しながら取り組めたのが結果につながりました」と納得の表情。チーム全体が良いモチベーションでこの試合に臨めたことも大きかったようだ。

 第3節の対戦相手磐田U-18について奥原監督は「春先の練習試合でがっつりやられています。プレミアリーグWESTでも調子が良いようなので、どれだけ通用するか楽しみです」と勝ってノックアウトステージ進出を決めようと意気込んでいた。

 一方、敗れた仙台ユース木谷公亮監督は「点差は開きましたけど、自分たちがやるべきことやできることを70分継続してやってくれたので、次につながります」と語り、前半の失点がセットプレーだけだったこともあり、監督就任から1年半積み上げてきた組織的な攻撃・守備を見せられたことを評価した。

 しかしながら特に前半は相手に押し込まれ続け、セットプレーの守備で強さを見せられなかった。「東北にいたら気づかないところがこういう大会で彼らに与えられました。課題をどう生かすかは選手それぞれですし、われわれ次第だと思います」と、この結果を今後の選手の成長につなげたいという。

 それでも第1節磐田U-18に勝利したため、FC東京が第3節で勝つか引き分け、もしくは磐田U-18が8点差以上で勝てば、GK田中勘太(いわき)、DF小島雅也(群馬)、MF佐々木匠(愛媛)、FW吉田伊吹(秋田)を擁し全国ベスト4進出して以来、7年ぶりのノックアウトステージ進出が決まることになる。

 木谷監督は「試合があると思って準備するだけ」と語り、山田は「上がれるとなったら絶対もっと強いチームと当たると思うので、今日出た課題を修正することが、チームの成長に必要です」。高橋も「もっと全体で気を引き締めて、簡単に失点しないようにしていけたら良いなと思います」と次戦を見据える。全員が28日のラウンド16を戦えると信じて、最善の準備を尽くす。 

(取材・文 小林健志)
●【特設】第46回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会

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