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[クラブW杯]林が5番手キッカーで勝利を決める。「順也が外して俺のところに……。サッカーの神様が見てくれた」

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[12.11 クラブW杯準々決勝 柏1-1(PK4-3)モンテレイ 豊田ス]

 一躍ヒーローに踊りでた。柏レイソルのFW林陵平は延長後半の開始から途中出場。だが、後攻だったPK戦では5番手キッカーの大役を務め、左足でしっかりと決めて“勝利決定弾”。「順也が外して俺のところに来るというのは、サッカーの神様が見てくれたのかなと思う。ああいう形ですけど、最後の最後、ヒーローになるところで、自分のところにチャンスがきて決めることができた。みんなのお陰ですけど、頑張ってきてよかった」と笑顔を浮かべた。

 PK戦はモンテレイが先攻でスタート。1人目をGK菅野孝憲が止めて柏が優位に運んだ。最初は柏の4人目キッカーだったFW田中順也のところで、決めれば勝利が決まるタイミングが回ってきたが、惜しくも失敗。林に“おいしい場面”が訪れた。練習で高い成功率だった林は、迷うことなく強烈な左足キックで右下に沈めた。「あのコースに思い切りければ大丈夫だと思った。監督が5番手にしてくれて、期待に応えたかった。選んでくれた監督に感謝したい」と胸を張った。

 悔しい思いが吹き飛んだ。林は昨季J2で10得点を記録。FW工藤壮人と並んでFWトップの数字で、今季はエース候補として期待された。しかし、一学年下のFW田中順也の台頭、FW北嶋秀朗の復活があり、4番手FWになってしまった。結果はリーグ戦10試合出場1得点。「今年は本当に苦しい時間が多くて、苦しい思いをすることが多かった。でも、チャンスが来ると思ってやっていた」と林。インテルDF長友佑都と同じ明大で親友。世界で戦う長友の話を直接聞き羨ましさがあったが、長友が経験していないクラブW杯で、自分の仕事を成し遂げた。

「今年のレイソルはほんとにチームがまとまっている。先発の11人がもちろん活躍していますけど、それ以外の選手の練習(態度)もいいし、出ていない人たちの雰囲気が強みだと思う」。その中の1人が林だ。常に競争があり、良い意味で緊張感のある練習ができていることが強さの秘密だが、林も出番がなくても腐らずに、真摯にサッカーに取り組んできた。その成果として大舞台で“大トリ”の役割が与えられ、成功した。この流れで次のサントス戦も勝利に貢献する。

[写真]林がPK戦で5番手を務めて見事に成功。これで勝利が決まり、仲間の祝福を受けた

(取材・文 近藤安弘)

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