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思わぬ苦戦を強いられた吉田弘監督「なでしこのような精神的強さを」

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[8.22 U-20女子W杯A組 日本2-2ニュージーランド 宮城ス]

 吉田弘監督も選手も“勝って兜の緒を締めた”はずだった。U-20日本女子代表(ヤングなでしこ)は初戦快勝の勢いに乗ることができず、ニュージーランドと2-2で引き分けた。

 ニュージーランドのマクファーランド監督が「日本と引き分けられたことは、ニュージーランドサッカー界にとって画期的なこと」と語るほど、ニュージーランドはこの一戦に懸けていた。

 果たして、ニュージーランドの気持ちは試合立ち上がりに結実する。前半11分にオウンゴール、そのわずか4分後には「狙っていた」(マクファーランド監督)カウンターで2点目。予期せぬ2失点を喫したことで、若き日本チームは浮き足立った。「自分たちのリズムでやれているときはいい。例えば、練習の紅白戦でも、失点すると余裕をなくすときがある。前を向こうと伝えているが、選手たちには届いていない。なでしこジャパンが見せる精神的強さには及ばない」。吉田監督は格下ニュージーランドに苦戦した理由をそう分析した。

 とはいえ、嫌な空気が包んだ2失点後から追いつけたことは収穫だ。吉田監督もその点は評価していた。「追いつける自信はあったし、追いつけたことはよかった。この引き分けはチームにとっても、(日本の2点目を決めた)道上彩花にとっても大きい。彼女には大きな期待を寄せているし、ゆくゆくは(なでしこジャパンの)大儀見優季と競ってほしい」

 これまでに対戦したメキシコやニュージーランドの運動量が後半途中からガクッと落ちる中、試合終了まで走り続けたヤングなでしこ。「ニュージーランド戦では走らさざるを得なかったが、走らなくても勝てるような試合をしたい」という指揮官が望む試合運びができるのか。決勝トーナメント進出をかけたグループリーグ最終戦・スイス戦は26日に東京・国立競技場で行われる。

(取材・文 奥山典幸)

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