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「ドイツ代表の話はもう終わり」酒井高徳が日本代表デビュー

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[9.6 キリンチャレンジ杯 日本1-0UAE 東北電ス]

 慣れ親しんだ新潟の地で代表デビューのときがやってきた。後半34分。「ドイツ代表入りか?」とドイツメディアで騒がれていた酒井高徳(シュツットガルト)が、右SBの酒井宏樹(ハノーファー)との交代でピッチに立った。

 左SBの駒野友一が右へ回り、酒井高は左へ。1-0とリードした状況での投入だっただけにバランスを取りながらのプレーとなったが、後半44分には高い位置に駆け上がってシュートも打った。

「左は久々だったので、懐かしい感じがした。でも練習も左でやっていたので、左も楽しいな、しっくりくるなと思いながらやった」。その言葉通り、試合を振り返る表情が実に生き生きとしていた。

 うれしかったのにはもう一つ理由がある。ドイツ人の母を持つ酒井高は、1月にシュツットガルトへ移籍すると、そのプレーがたちまち評判を呼び、“フィリップ・ラームの後継者”としてドイツ代表入りが騒がれた。

 ザックジャパンに招集されながらも出場機会がなかったこともドイツ代表待望論をさらに大きくさせてきた。今回の帰国直前には本人の意向からかけ離れた「ドイツ代表入りを希望」との報道もなされた。

 今回、日本代表として国際Aマッチデビューを果たしたことでドイツ代表入りの資格が自動的に消えた。そのことについて聞かれた酒井高は、「やっと終わりましたね。その話はもうしません」ときっぱり。すっきりとした顔で言った。

 左右両SBをこなすことのできる貴重な若手。「日本代表・酒井高徳」の今後の成長が楽しみだ。

(取材・文 矢内由美子)
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