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元アルゼンチン代表MFアルメイダ「イタリアサッカー界は、芯から腐っている」

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 ラツィオ、パルマ、ブレシア、そしてインテル…。8年間にわたって、イタリアのクラブでプレーした元アルゼンチン代表MFマティアス・アルメイダが自伝を出版し、その内容が大きな波紋を呼んでいる。アルメイダは、イタリアサッカー界が賄賂、ドーピング、そして八百長に満ちていると書き、さらにいくつかのクラブがマフィアと手を組み、選手たちを脅迫していると、綴ったのだ。

 この本の中で、最も驚くべき話の一つは、彼がパルマ時代の話だ。試合前に選手たちは点滴を受けていたという。彼は、これが一時的にパフォーマンスを向上させるためのものであり、長期的に見れば選手たちの体に害を及ぼすものだったと確信しているという。

「パルマでは、試合前に静脈内点滴を打っていた。クラブからは『ビタミンの混合剤』と説明されていたけれど、その点滴を打ち終わってから、ロッカールームに戻ってジャンプをしたら、天井に届きそうなところまで、飛ぶことができた。当時、選手たちはそれが何なのか、聞くことはできなかった。でも、時が経ち、昔の選手たちが心臓疾患で亡くなった話や、筋肉に問題を抱えているという話をよく耳にする。当時、与えられたもののせいだと、私は思っているよ」

 キャリアの終盤、インテル時代には深刻なアルコール依存症に苦しんでいたアルメイダは、当時の様子も赤裸々に書き記している。そんな男は、マフィアが幅を利かせていたことも、克明に綴っていた。これも、パルマ時代の話だ。アルメイダは当時の会長兼オーナーであったステファノ・タンジ氏との関係が良くなかったという。

「ステファノ・タンジとケンカになった。その数日後だ。自宅で目を覚まし、ガレージを見たら、買ったばかりの車がなくなっていたんだ。サボ・ミロセビッチも、クラブと衝突していたけど、彼も僕と同じ目に遭わされた」

 被害は家族にも及んだという。

「ある日、妻が外出から戻ってきたら、家の中から声が聞こえたんだ。彼女は慌てて逃げて、警察を呼んだ。そして、家の中に入ってみると、マフィアが壁いっぱいに機械油でメッセージを書いていたんだ。これがきっかけで、妻は早産した。02年のW杯後、僕はパルマに戻らなかった」

 アルメイダは、一度も八百長に加担したことはないと強調する。だが、01年に行われたパルマ対ローマの試合で、彼は何人かのチームメイトたちの動きに、違和感を覚えていたことを認めた。最終的にローマは、ユベントスを交わして、タイトルを手にしている。

「パルマの選手の何人かは『ローマの選手が『負けてくれ』と言っているよ』と、言っていた。もちろん、断固として拒否したよ。ほとんどの選手も、そういう反応だった。でも、ピッチでは何人かの選手が、普段なら走るところで走っていなかった。だから僕は交代を要求して、ロッカールームに下がったんだ。お金が発生したのか、それは分からない。彼らは『好意でやった』と言っていたけどね」

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