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鹿島が連覇達成で史上最多5度目V!!柴崎岳の2得点で延長戦制す

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[11.3 ナビスコ杯決勝 清水1-2(延長)鹿島 国立]

 ナビスコ杯決勝が3日、東京・国立競技場で開催され、16年ぶり2回目の優勝を狙う清水エスパルスと、2年連続5回目の優勝を目指す鹿島アントラーズが対戦した。鹿島は後半28分、MF柴崎岳のPKで先制したが、清水も同32分にFW大前元紀がPKを決め、同点に追いつく。3年連続となる延長戦にもつれ込むと、延長前半3分、柴崎がこの日2点目となる決勝点を決め、2-1で競り勝った。史上3チーム目となる連覇を達成した鹿島は史上最多5度目の優勝。Jリーグ、天皇杯を含め、6シーズン連続となる16個目のタイトルを獲得した。

 清水はMF杉山浩太が出場停止。前哨戦となった10月27日のJ1鹿島戦(2-1)はベンチスタートだったDFカルフィン・ヨン・ア・ピンが先発復帰し、CBだったMF村松大輔がボランチにポジションを上げた。また、リーグ戦は出場停止だったFW高木俊幸が先発し、ニューヒーロー賞を受賞したMF石毛秀樹はベンチスタートとなった。
 鹿島は清水に敗れたリーグ戦から先発3人を変更。DF昌子源が左SBで10月10日の天皇杯3回戦・鳥取戦(2-1)以来、公式戦4試合ぶりに先発した。ボランチではMF本田拓也が10月13日のナビスコ杯準決勝第2戦・柏戦以来、公式戦3試合ぶりの先発。柴崎が2列目にポジションを上げ、MFドゥトラに代わって公式戦2試合ぶりに先発したFW興梠慎三がトップ下に入った。
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 FW大迫勇也と興梠の2トップ気味にスタートした鹿島だが、清水の中盤のアンカーに入った村松をケアするように興梠が守備時はトップ下にポジションを下げて対応。両チームががっぷりよつに組み、試合は拮抗した展開となった。

 最初のチャンスをつかんだのは清水。前半14分、DF吉田豊のアーリークロスのこぼれ球を高木が右足ボレーで狙うが、GK曽ヶ端準がパンチングでクリアする。同26分にはDF李記帝の左クロスをDF岩政大樹がクリアしたボールを高木が拾い、PA手前から狙ったが、岩政が体を張ったディフェンスでブロックした。

 鹿島はシンプルなロングボールから前線の大迫がヨン・ア・ピンと互角に競り合うが、周囲のサポートが遅く、孤立気味。なかなかフィニッシュまで持ち込めないまま時間が経過していった。一方の清水も中盤ではボールがつながるが、ラストパスの精度が低く、FW金賢聖も岩政の厳しいマークに遭う。結局、前半は互いに見せ場少なく、スコアレスで45分間を終えた。

 後半開始から鹿島は選手を交代。興梠に代わってMFドゥトラがトップ下に入った。徐々に試合の流れを引き寄せる鹿島は後半7分、大迫からパスを受けたMF遠藤康がチャンスを迎えるが、シュートはDFがブロック。同11分にはスルーパスに反応したドゥトラがPA内右に抜け出す。しかし、右足のシュートはGK林彰洋がビッグセーブ。ゴールを許さなかった。

 清水は後半19分にMF河井陽介に代えてMF小林大悟を投入し、最初の交代カードを切る。同22分には左クロスがファーサイドに流れ、大前がPA内で仕掛けるが、1対1で対応した昌子がボールをカット。鹿島は同25分、本田に代えてMF増田誓志をピッチに送った。

 すると、その直後の清水のCKから鹿島が電光石火のカウンターを仕掛ける。遠藤がドリブルで駆け上がり、右サイドに走り込んだドゥトラにパス。さらに後方から駆け上がってきた柴崎にドゥトラからスルーパスが通ると、思わず後方から李記帝が引っ張ってしまう。家本政明主審はPKの判定。これを柴崎自ら落ち着いてゴール右に決め、鹿島が先制に成功した。

 ところが、そのわずか2分後だった。清水は右CKのチャンスに大前がセンタリングを上げると、ゴール前の競り合いで鹿島の選手にファウルがあったとして家本主審の笛が鳴る。清水にPKが与えられ、後半32分、大前のキックで1-1の同点に追いついた。

 鹿島は後半38分、昌子に代えてDF新井場徹を投入し、最後のカードを切った。新井場は積極的なオーバーラップからチャンスを演出するが、クロスがわずかに合わない。清水は後半ロスタイム、MF八反田康平に代えて石毛を投入。試合終了間際には高木のスルーパスを受けた石毛が左サイド角度のない位置からシュートを打ったが、GK曽ヶ端にキャッチされた。

 試合は1-1のまま90分間を終え、3年連続となる延長戦に突入。そして延長前半3分、鹿島の若きホープが魅せた。増田のサイドチェンジから右サイドでボールを受けたDF西大伍がスルーパス。走り込んだ柴崎のトラップは大きくなったようにも見えたが、トップスピードに乗ってヨン・ア・ピンをかわし、自らボールに追いついて右足を振り抜いた。

 柴崎のこの日2点目で2-1と勝ち越した鹿島。一方、反撃に出る清水は延長前半6分、村松に代えて特別指定選手のFW瀬沼優司をピッチに送り、交代カードを使い切る。同12分には吉田の右クロスからこぼれ球を高木が右足ボレー。しかし、これも鹿島守備陣が体を張ったディフェンスで阻止すると、逆に前がかりになる清水に対し、カウンターからチャンスをつくっていった。

 清水は延長後半5分、高木が右足ミドルを狙うが、ゴール左へ。何とか同点に追い付こうと、必死に反撃を試みるが、鹿島の粘り強いディフェンスをこじ開けられない。試合はそのまま2-1で終了。延長戦を制した鹿島が2連覇を達成し、史上最多5度目となるナビスコ杯のタイトルを獲得した。

(取材・文 西山紘平)

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