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[フットサルW杯2012]敗因を分析するFP北原「一発目でやられたことが大きい」

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[11.11 フットサルW杯2012 ウクライナ6-3日本 フアマーク]

 前半を0-6と一方的な展開に持っていかれてしまったフットサル日本代表だったが、キックオフ直後のプレーは悪くなかった。引いてきたウクライナに対して、しっかりとボールを回しながら、シュートまで持ち込んでいた。ところが、その後に待っていたのは目を覆いたくなるような展開だった。2分16秒にFPセルギー・チャポルニュクに速攻からゴールを許すと、前半13分までに4失点を喫し、失った流れを取り戻すことはできなかった。

 FP北原亘(名古屋オーシャンズ)も、立ち上がりには悪くない印象を持っていた。ただ、その時間帯にやられたことが、影響したのではないかと振り返る。

「僕の分析ですけど、一発目のカウンターで(ゴールまで)持って行かれたのが痛かった。あれで『無理に行くとカウンターを食らう』という考え方『点を取り返さないといけない』という考え方。その2つの考え方がチームに混在したのかなと思います。それがまた相手のカウンターを生んで、カウンターから失点という形になり、ゲームコントロールができなかった。試合の入り方が良かった中で点を取られたので、リズムを持って行かれたかなと感じています」

 パス回しが機能しなくなった日本だが、打開策がなくなっていたのも事実だ。ミゲル・ロドリゴ監督は「逸見、高橋が起用できたら、まったく違うゲームになっていた」と語ったが、北原も「ピヴォとフィクソの選手ばかりになってしまっていた」と同調する。実際に、累積警告のFP逸見勝利ラファエル(名古屋オーシャンズ)、負傷のFP高橋健介(バルドラール浦安)に加え、FP稲葉洸太郎(バルドラール浦安)も0-4で迎えた前半15分に相手の決定機を阻止して一発退場となり、ゲームをつくるアラの選手が極端に少なくなっていた。

 ウクライナに敗れてベスト8進出は実現できなかった。それでも北原は、達成感が薄れることはないと大会を総括した。「日本が大きな目標としていた決勝トーナメント進出を達成できたことに、非常に達成感はあります。今回は本当に注目されている大会で、僕自身も、チームのみんなも、プレッシャーが非常に大きかった。Fリーグ、フットサル界を背負っている気持ちで毎日を過ごしていましたし、一つ目標を達成したことで、その重圧からは解放されたかなと思います」。

 4年前、チームが初戦でブラジルに1-12と大敗し、空中分解したときとも異なり「最後のゲームも戦う姿勢は見せられた」と北原は、やり切ったことを強調した。Fリーグ元年から名古屋でもキャプテンを務めていたが、今季からは後進にその座を譲っている。そのため、今シーズン限りで引退するのではないかという憶測もあるが、本人は「どうですかね。まだ分からないです。落ち着いて一回考えたいな」と、話すにとどまった。

 今大会の経験をプレーで伝えてもらうためにも、今後もFリーグの舞台で戦う彼の姿を見たいところだが、それは強制できることではない。この日も3点目のゴールを挙げた北原が、どんな決断を下すかにも注目をしたい。

(取材・文 河合拓)

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