beacon

運命の最終節、勝てば自力残留できる神戸・大久保「何でもいいっすよ、勝てれば」

このエントリーをはてなブックマークに追加
[11.24 J1第33節 柏1-0神戸 柏]

 勝てば自力で残留が決められる有利な状況を活かせなかった……。前半37分にMF田中英雄が2枚目のイエローカードで退場。11対11でも劣勢に立たされていたヴィッセル神戸は、窮地に追い込まれた。

「勝てば残留。(選手の)心理状況はわかっていたが、気持ちが入りすぎて早い時間で10人になってしまった。(立ち上がりは)ちょっと堅かった。一度イエローをもらって落ち着くと思ったけど……」。安達亮監督は、重圧で選手がいつもの力を発揮できなかったことを悔やんだ。

 3試合ぶりのスタメンとなったFW田代有三だったが「起点になれなかった」と下を向いた。田代にロングボールを当ててFW大久保嘉人、MF小川慶治朗らスピードのある選手を活かすはずだったが、昨季J1ベストイレブンの柏DF近藤直也との空中戦に、ことごとく競り負けてしまった。

 主将の大久保も守備に追われる時間が多く、攻撃にほとんど絡むことができなかった。チームとしてもセットプレー以外、チャンスらしいチャンスはなかった。「何でもいいっすよ、勝てれば。ロングボール蹴って、セカンドボール拾って、変なゴール入っても全然いいし。そういうサッカーしたいっすね」。

 次節、勝利で自動的に残留が決まる神戸の相手は、今節優勝を決めた広島だ。集中がきれて不甲斐ないプレーをする可能性もあるし、優勝の重圧から解き放たれて伸び伸びとプレーする可能性もある。「ただ次勝てばいい」と語る指揮官の表情に暗さはなかった。ホーム最終戦、大勢のサポーターの前で残留を決めることができるか――。運命のキックオフは、12月1日15:30だ。

(取材・文 奥山典幸)

TOP