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自身3度目のJ2降格にうなだれるG大阪DF今野「力不足を感じる」

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[12.1 J1第34節 磐田2-1G大阪 ヤマハ]

 まるで意図しない結末だった。開幕前、DF今野泰幸は1シーズンでのJ1復帰を決め、天皇杯を制したFC東京からガンバ大阪に加入した。「優勝を目指しているチームだと思うので、少しでも貢献したいと思います」。そう入団会見で語った日本代表DFだが、タイトル獲得はおろか、まさかのJ2降格という結果に、ただただ、うなだれた。

 最終戦のジュビロ磐田戦を1-2で終え、G大阪は20シーズン目にして初めてJ2降格となった。今野個人にとっては、02年の札幌時代、10年のF東京時代に続く、3度目のJ2降格だ。ミックスゾーンでは、「今は何も言葉が浮かんできません。残念です」と唇をかみしめ、「サポーターも最後まで後押しをしてくれて、チームメイト、コーチングスタッフ、みんなが力を合わせて、勝ち点3を取る努力をしました。でも、こういう結果になり、本当に申し訳ない」と、目に涙を浮かべた。

 G大阪入団会見の際には「僕も攻撃的なサッカーが好きだし、いいことだと思います。でも、やっぱり自分は守備の選手だと思っているし、失点をいっぱいするのは自分としては嫌なので、一生懸命頑張って、失点をなくして得点をたくさん取るガンバというのをつくっていきたいと思っています」と意気込みを語っていた。しかし、日本代表でレギュラーを張るDFの加入にも関わらず、チームの失点は止まらず。今季も札幌に次ぐワースト2位の63失点を喫した。

 今シーズン、G大阪は3点以上を取らないと勝ち点3を挙げることができなかった。今野、一人の責任ではないだろう。それでもチームの守備の要となることが期待された男が、チームを助けられたかといえば、そうではない。「何かが足りないから、こういう結果になったと思います。カバーできる力が自分になかった。力不足を感じるし、悔しいです。スイマセン」と言い残した今野は、うつむきながら、足早にバスへ乗り込んだ。

(取材・文 河合拓)

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