beacon

[選手権]青森山田は修徳にPK戦の末に競り勝ち、3回戦進出

このエントリーをはてなブックマークに追加

[1.2 全国高校選手権2回戦 青森山田2-2(PK4-3)修徳 駒沢]

 第91回全国高校サッカー選手権は2日に各地で2回戦を行い、駒沢陸上競技場の第1試合では青森山田(青森)と修徳(東京A)が対戦した。前半17分に先制点を挙げた青森山田だが、自分たちのミスから同点ゴールを許して前半を折り返す。後半14分には再びリードしたが、同29分には修徳の鮮やかなゴールが決まり、2-2で前後半80分が終了した。1回戦の野洲(滋賀)戦に続くPK戦を制した青森山田が、ベスト16入りを果たした。

 中1日でこの試合を迎えた両チーム。序盤は互いに慎重な試合運びを見せる。徐々に左サイドから押し込みだした青森山田は、前半15分にCKを得るとPA外中央のFW林雄紀(3年)に浮き球を送る。これを林がボレーで捉えたが、シュートは修徳DFにブロックされた。その直後には右サイドからDF室屋成(3年)が鋭い突破を見せて、ファウルを誘う。これで得たFKをMF池上丈二(3年)がゴール前に入れると、DF山田将之(3年)がヘッドで合わせる。修徳GK野口博輝(3年)も弾ききれずに、ボールはゴールに入り、1-0と青森山田が先制した。

 このゴールで落ち着いてボールを回し始めた青森山田だったが、思わぬ落とし穴が待っていた。「DFが最後まで風、ピッチ状態に苦労した」と黒田剛監督が振り返るように、室谷のバックパスを受けたCB山田将が、ボールをどう処理するか判断に迷ってしまう。GK田中雄大(2年)は自分が処理するものだと思い、PAを飛び出す。そこにプレスを掛けた修徳のFW小野寺和也(3年)が、戸惑う青森山田の2選手の間からボールを奪い、無人のゴールにシュート。早い時間帯に同点に追いつくことに成功した。

 すぐに円陣を組み、修正を試みた青森山田だが、バックパスを躊躇する場面も見られ、前線にボールを放り込み失う回数が増えていく。同点に追いつき勢いづく修徳は、27分にMF久保祐貴(2年)、32分にはMF城ケ瀧大地(3年)がPA外からのシュートで青森山田ゴールを脅かすが、ゴールマウスを捉えることはできなかった。39分に、ようやく青森山田もシュートを放つ。CKを獲得し、修徳DFがクリアーしたボールを回収したMF石井光(2年)がシュートを打ったが、ボールはクロスバーを大きく越えて行った。このまま前半は1-1で終わる。

 後半開始と同時に修徳はMF野澤克之(3年)に代えて、FW本橋瑞基(3年)を起用する。後半2分には右サイドを小野寺が突破し、ゴール前へグラウンダーのクロスを入れる。そこに本橋が走り込んだが、シュートをふかしてしまった。

 ボールを支配しはじめた青森山田は、後半12分にベンチも動く。MF{{菅原啓祐}}(3年)に代わり、MF山田武典(2年)がピッチに送り出された。同19分、青森山田は左サイドを崩すと、ゴール前でボールを受けたMF縣翔平(3年)が、さらに右へ展開。完全に゛フリーになっていたMF石井光(2年)がシュートを決め2-1と勝ち越した。22分には修徳もMF武石郁弥(3年)に代えてFW田上真伍(2年)を起用するが、リードした青森山田の勢いが止まらない。同23分にPA外から縣がミドルシュートを放ち、その直後には林がGKと1対1になったが、どちらもGK野口に防がれる。25分にもCKから山田将が打点の高いヘッドを放ったが、これもGK野口に防がれる。

 耐えた修徳は、1チャンスをものにする。右から左へ城ケ瀧がサイドチェンジのボールを蹴る。左サイドでボールを受けた本橋が、ゴール前へクロスを入れると、そこに走り込んだ小野寺が頭で合わせ、同点に追いついた。さらに33分にも修徳は、田上がゴール前に入れたボールに小野寺が走り込む。小野寺の前でGK田中にパンチングしたが、このクリアーボールをMF大塚竜太(3年)が拾って、無人のゴールへシュート。しかし、ボールは右へ外れて行き、逆転はできなかった。

 後半ロスタイムには、青森山田も勝ち越すチャンスを得る。橋本のクロスを攻め上がっていた山田将がヘッド。ゴールを捉えたシュートは、GK野口が枠外へはじき出す。さらに、このCKからも青森山田DF小松崎雄太(3年)の前にボールがこぼれる。しかし、シュートはクロスバーを越えて行き、得点は挙げられなかった。このまま試合は2-2で終了し、PK戦へ突入した。

 互いに3人が決めて迎えた4人目、先攻の修徳のシュートをGK田中がストップ。続くDF八戸雄太がゴール左にシュートを決めた後、修徳5人目のキッカーのセーブを再びGK田中が止めて、青森山田がPK戦を4-3で制し、3回戦の星稜(石川)戦に駒を進めた。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 河合拓)

▼関連リンク【特設】高校選手権2012

TOP