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38度熱発&右太腿裏不安もなんの!強行出場の内田が先制点アシスト

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[2.6 キリンチャレンジ杯 日本3-0ラトビア ホームズ]

 鮮やかな、いや、泥臭いアシストだった。前半41分、右サイドを駆け上がったDF内田篤人(シャルケ)がシュート性のクロスをゴール前に入れると、ゴール前に詰めたFW岡崎慎司が倒れ込みながら右足を合わせる。貴重な先制点。だが、岡崎を祝福する内田はなぜか首をひねっていた。

「DFの股を抜くシュートを狙って、サイドネットに行けばいいかなと思っていた。股ばかり見ていたけど全然足を開かなかったからシュートしたら、変な方に行って」

 内田は苦笑いしながら、「でもオカちゃんは変なボールの方がいいタイプだから。あれはオカちゃんの嗅覚」と続け、納得の表情を見せた。

 ドイツから帰国した4日、38度の熱が出た。練習場に向かうバスに乗り込もうとしたが、スタッフに止められ、ホテルで静養。幸いインフルエンザではなかったため、熱の下がった5日は練習に参加し、「無理をしなくてもいいという言葉は好きじゃない」と、この日の強行出場へつなげた。

 風邪の影響で「今日は最初からきつかった」と振り返ったときもまだ鼻声は残っていたが、内田自身が不安だったのは「風邪より右太腿裏」だという。チームから代表辞退を勧められながら自らの意志で帰国しただけに、「とりあえず何もなくドイツに戻れるので良かった」とホッとした表情を見せた。

 酒井高徳、酒井宏樹、そして今回は招集されていない駒野友一と、右SBは激戦区となっている。その中で、意地の強行出場とアシスト。貴公子・内田が泥臭く存在感を示した。

(取材・文 矢内由美子)

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