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[練習試合]慶大、関東選抜Aの逸材MF武藤、開始50秒弾

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[2.17 練習試合 関東大学選抜A 1-3 慶應義塾大 慶應義塾大G]

 この日始動した関東大学選抜Aのファーストゴールは慶應義塾大FW武藤嘉紀(2年=F東京U-18)が決めた。試合開始50秒、MF増田湧介(慶應義塾大2年=清水東高)がボールを持つと、左サイドからマークを外してPAへ飛び出した武藤は「得意な形で、普段(慶應義塾大で)やっている増田だったので、そこに行けば、出てくるなと思っていた」と難なく先制点を叩きだした。

 この日の対戦相手は所属チームの慶應義塾大。当然相手はチームのエース格でもある背番号7を警戒していたが、それでも武藤はダイナミックなドリブルで守備網を破り、決定的なシュートを放っていく。ただし、2点目を奪えなかったことが影響してチームは逆転負け。「自分が得点につながるようなプレーをしなければいけないと思いますし、監督もそれを求めていると思うので、ラストパスだったり、シュートというところはこだわって、次の合宿からそこはアピールしていきたいと思います」と、3月のデンソーカップチャレンジ優勝を目指すチームの中でゴールに直結する役割を果たしていくことを誓っていた。

 3年前、F東京トップチーム昇格ではなく、慶大への進学を選択した武藤は開幕7試合で6ゴールを決める鮮烈な大学デビュー。だが6月に左ひざ半月板の負傷を負うとそのままシーズンを棒に振ってしまう。“野性的”とも表現できる、しなやかな身のこなしとスピードでDFを外し、ゴールを連発する強力アタッカーは昨年、F東京の特別指定選手にもなったが、怪我の影響によって納得の行くプレーをすることはできなかった。ただし、体重が増え、フィジカル面をより向上させるなど、怪我に苦しんだ中でも成長してきた自負がある。「だいぶ戻ってきたと思いますし、もう一個上がると思っている。多分、デンソーの時にはベストのコンディションで臨めると思うので、あとは怪我をしないようにしたい」。

 現在の目標については「まずは一番近くのところではユニバ(―シアード)で選ばれること。そのためにコンディションを整えないといけないですし、努力をしなければいけない。デンソーでしっかりと得点して、アピールして、メンバーに入る」。昨年は全日本大学選抜のスペイン遠征(8月)に参加したが、9月のミャンマー代表戦は体調不良で欠場。以降、全日本メンバーから遠ざかっている。「あそこ(全日本)を目指していますし、正直こっち(関東選抜)にいるというのは悔しいので、デンソーでも全日本絶対に負かすという気持ちで入って行きたい」と言い切った。慶大、そして関東選抜Aの指揮を執る須田芳正監督も「(全日本選抜の骨格は決まっていると思うが武藤は)個で行けてしまうので、デンソーで活躍すれば間違いなくチャンスはあると思いますね」と期待するエース候補。デンソーカップチャレンジでゴールを量産して全日本選抜メンバーに食い込む。

(取材・文 吉田太郎)

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