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[MOM228]びわこ成蹊スポーツ大DF松田陸(4年)_F東京特別指定の強力SBが別格の動き

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.6 関西学生リーグ1部第6節 びわこ成蹊スポーツ大5-0大阪学院大 太陽が丘]

 別格のパフォーマンスだった。FC東京に特別指定されているびわこ成蹊スポーツ大の右SB松田陸(4年=立正大淞南高)は自身の1ゴールを含めて4ゴールに絡む大活躍。5発快勝の立て役者となった。

 ピッチ状態が悪く、両チームともに連戦の疲労と暑さに苦戦していた。松田陸もベストコンディションではなかったというが、馬力十分のオーバーラップ、スピードで他に1段階差をつける動き。「去年までは1対1で仕掛けてやるというキャラじゃなかったんですけど、今年自分のスピードに自信がついて、この何試合かでドリブルでも抜けるという手応えをつかんだので1対1でも勝負している」というドリブルで再三相手SBとの1対1を制して決定機をつくり出した。

 まずは1-0の前半15分、右サイドでDF2人を振りきってPAへ侵入すると、19分には右サイドからのダイアゴナルランでFW久保賢悟のスルーパスを引き出す。そしてゴールライン際までえぐって出した折り返しにMF加藤大樹が飛び込むと、相手DFがオウンゴール。2-0とすると、前半44分にはPAの久保へピンポイントのアーリークロスを通して3点目をアシストした。

 後半もオーバーラップから決定機を演出していた松田陸は17分に右サイドで難なくDFをかわしてから右足ミドルをゴールへ突き刺す。後半40分にも5点目の起点となったほか、直接FKでゴールを狙い、守備面でも完封勝利に貢献するなど会心の出来でチームに勝ち点3をもらたした。

 現在は月曜日だけ大学の授業を受け、火曜日から金曜日はF東京で練習。そして週末にはびわこ大へ戻り試合に出場するという日々を送っている。望月聡監督は「Jへ行って調子に乗っていますね(微笑)。凄く姿勢もいいですし、チームを引っ張ってくれている。(練習参加していることで)自信がつくんでしょうね」と目を細めていたが、本人も「東京の練習とか行って自信がついている。大学生とプロのレベルって違うじゃないですか。でもセンタリングは『全然劣っていない』と言われているんで、上がって行ってセンタリングのところは自信がある。1対1は負けないですね。(そして大学レベルでは)抜き切らずに上げることもできるので、相手も警戒している感じもしていますし。本気で身体をぶつけに行かなくても、向こうはぶつけに来ているかもしれないですけど、ボクからすると当たっている感じがしない」と技術面、フィジカル面にも手応えを感じている。

 大学4年で主将を務める今年は双子の弟で昨季リーグ得点王のFW松田力とともにびわこ大を全国へ導くという使命がある。同時に少しでも成長して来年プロで活躍すること、今年は現在はF東京の勝利にも貢献したいという思いがある。F東京で公式戦に出場するためには元日本代表DF徳永悠平という大きな壁があるが「まだまだですね。徳永悠平さんとか見ていたらボクなんか身体全然ちっちゃいですし、走る量も全然違いますし、さすが元代表、オリンピックに出場している選手やなと思います。もし(いつかポジションを)勝ち取ることができれば、代表候補も夢じゃない。日々頑張るしかないですね。今は身体をもっと大きくすることです」。関西を代表するSBは高いレベルの中でより成長を遂げ、掲げている目標を果たす。 

(取材・文 吉田太郎)
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