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[ユニバーシアード]攻守の連係冴え渡った日本、地元・ロシア撃破し銅メダル獲得!

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[7.16 ユニバーシアード3位決定戦 日本3-0ロシア ロシア・カザン]

 ユニバーシアード日本代表は16日、第27回ユニバーシアード競技大会(ロシア・カザン)3位決定戦で地元・ロシアと対戦し、3-0で快勝。銅メダルを獲得した。

 地元開催のメンツにかけて銅メダルをなんとか獲得したいロシアに対し、準決勝に敗れて「最初はモチベーションが低かった」(車屋紳太郎)という日本は、どちらかといえばロースタート。両サイドの選手を使って積極的にシュートを打ってくるロシアに先に主導権を握られる展開に。

 そんな流れを変えたのが、17分のDF小川大貴(明治大4年=磐田ユース、ジュビロ磐田内定)のゴールだった。起点となったのは、DF車屋紳太郎(筑波大3年=大津高)のドリブル。「DFがドリブルしちゃいけないというルールはない」と、左サイドをエンドラインぎりぎりまで突破。折り返したパスに、「今日は絶対にシュートを打とうと決めていた」という小川が合わせて日本が先制点をあげる。

 この得点でようやく自分たちのリズムを掴み始めた日本は、その後も茶島雄介(東京学芸大4年=広島ユース、サンフレッチェ広島内定)、窪田良(阪南大4年=東京Vユース)らボランチからのパスを中心にチャンスを作る。一方でロシアも、FW赤崎秀平(筑波大4年=佐賀東高)と得点王争いをするウラジミール・ディアドゥンがゴール前に何度となく抜け出すなど、両者一歩も譲らず、展開は一進一退。日本はあわやというピンチもあったが、GK藤嶋栄介(福岡大4年=大津高)のファインセーブとDF陣の集中した守りでロシアに得点を許さず、1-0のまま前半を終了する。

 後半に入ると、日本もロシアも1名ずつ選手を交代。日本はエース・赤崎を投入して追加点を狙う。しかし1点を追うロシアに、しばらくは「自陣でずっと展開されていた」(小川)。それでも「中心選手のパスコースを消して、相手が長めのボールに頼らざるを得ないような状況を作った。ポゼッション率は相手のほうが高いかもしれないが、決定的なチャンスは作られなかった」と吉村雅文監督(順天堂大)。また、ほぼ同じメンバーで6試合を戦ってきたロシアは疲れも見え始めていた。すでに後半15分までに3名のメンバーを交代したのに対し、日本は「体力的にもフレッシュなメンバーと、絶対に外せないメンバーのミックス」したチーム。その差が次第に、日本のチャンスにつながり始める。

 なんとか同点に追いつこうと焦るロシアに、日本が決定的な2点目をあげたのは37分。MF泉澤仁(阪南大4年=新潟ユース)がドリブルで中に切れこむと、ゴール前に抜け出した赤崎にパスを送る。少し距離のある位置だったが、これを赤崎が正確にコントロールすると思い切り蹴りこんでゴール。自身にとって、大会得点ランキングの単独トップに踊り出るゴールで、ロシアとのリードを広げる。さらには終了間際の44分にも、GKと交錯しながらもシュートを押し込んで3点目。ロシアとの差を決定的なものとする。

 その後もDFラインがロシアの攻撃を守りきり、そのまま試合終了。これまでの試合を考えれば、ボール保持率は半々程度と決して相手を“圧倒した”ゲームではない。むしろロシアの攻撃にラインを下げざるを得ない時間帯があったことも確かだ。しかし、ユニバ代表がずっと目標としてきた“守から攻”“攻から守”の連係が、これまで以上に冴え、終わってみれば3-0とロシアを完封。「試合の中身もよかったし、結果もよかった。“I was Satisfied.”」という吉村監督の満面の笑みと笑顔が、この試合の内容の充実さを物語っていた。

(取材・文 飯嶋玲子)

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