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興梠の今季9点目で新潟下す!浦和が完封勝利で首位追走

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[8.31 J1第24節 浦和1-0新潟 埼玉]

 J1は31日に各地で第24節を行い、3位浦和レッズはホームの埼玉スタジアム2002に10位アルビレックス新潟を迎えた。2連勝中と勢いのある新潟ペースで前半は進むが、スコアレスで後半へ。後半は一転して浦和ペース。同17分にFW興梠慎三の今季9点目で先制すると、虎の子の1点を守りきり、浦和が1-0で勝利。2試合ぶりの勝ち点3を手にした。

 前節、横浜FMに0-3の完敗を喫した浦和は、5試合不動だったスタメンの変更に着手。チーム得点王の1人であるFW原口元気をベンチに置き、MFマルシオ・リシャルデスをMF柏木陽介とともにツーシャドーに配置した。横浜FM戦で負傷交代したDF森脇良太もスタメンに名を連ねた。

 2試合連続逆転勝利と勢いに乗って埼スタに乗り込んできた新潟は、出場停止明けのMF田中亜土夢がスタメンに復帰。昨季まで11年浦和に在籍していたFW田中達也は、対戦相手として初の埼スタでの試合となった。

 両チームともに中2日で迎えた一戦は、ホームの浦和が序盤からアグレッシブなプレーを見せる。開始50秒足らずでDF槙野智章がファーストシュート。3分後にはダイレクトパスから新潟ゴールに迫る。槙野のPA外からのシュートはDFに当たるも、こぼれ球は再びPA内の槙野へ。GKの至近距離からのシュートはDFに阻まれてしまった。

 対する新潟は浦和のワントップ、ツーシャドー、両ウイングバックの5人にマンマークをつける守り方が功を奏する。浦和は楔のパスを入れることができず、思うような攻撃のカタチをつくれずにいると、8分には槙野のパスミスをMFレオ・シルバに拾われ、最後は田中達が左足でミドルシュート。ボールは枠を捉えたが、GK加藤順大が右手1本で難を逃れた。

 前半11分にも新潟のチャンス。レオ・シルバ、田中達、MF成岡翔がダイレクトでボールをつなぐと、成岡から浦和DFラインの裏へ抜けた田中亜へ。トラップからフリーでシュートを放つもクロスバーを大きく超えてしまった。

 浦和は前半17分にもミスからピンチを招く。楔のパスを新潟DFがカットすると、ボールは浦和DFの裏のスペースへ。レオ・シルバがゴール前へ入れたパスは、MF阿部勇樹がなんとかスライディングでカットするも、ボールは浦和ゴールへと転がる。しかし、ボールはゴールポストに当たり先制点にはつながらない。

 押し込まれていた浦和も反撃に出る。前半20分、森脇がオーバーラップでマークのズレを生み、MF宇賀神友弥がPA外からミドルシュートを放つもGK東口順昭の攻守に阻まれた。

 前半最後の決定機をつくったのは新潟。前半37分、田中達のパスを受けた田中亜のPA内からシュートはGK加藤が一度は防ぐも、こぼれ球をレオ・シルバがつめてネットを揺らす。しかし、レオ・シルバが田中亜のシュートの際にオフサイドポジションにいたため、ゴールは認められなかった。3分後、田中達がピッチを後にし、FW岡本英也が入った。

 後半に入ると一転して浦和ペースに。「風上なのでシュートの意識を持つこと」というペトロヴィッチ監督のハーフタイムの指示どおり、早速MFマルシオ・リシャルデスがミドルシュートを狙う。新潟ゴール前でのシーンが多くなるも、得点につなぐことができない浦和は、同11分、ボランチのMF鈴木啓太に代えてFW原口元気を投入。MF柏木陽介をボランチに下げて、原口をトップ下に入れた。

 ピッチに入った2分後には、ミドルシュートで新潟ゴールを強襲。ゴール左隅を捉えたシュートは、GK東口にセーブされるも、原口が入ったことで浦和の攻撃のスイッチはさらに強まる。そして浦和が攻勢をかける中で迎えた後半17分、柏木のスルーパスを興梠が新潟DFラインの裏で受けると、飛び出してきたGK東口をあざ笑うかのようにチップキックでゴールに流し込み、ついに浦和が試合を動かした。

 先制を許した新潟は、それまでのショートパス主体の組み立てから、ロングボールを多用する攻撃へ。ツートップが浦和の3バックの裏に抜けようとするが精度を欠き、逆に浦和のカウンターを受ける展開になる。浦和はMF梅崎司をトップ下に入れて前線の活性化を試みるが、フィニッシュの精度を欠いて試合を決めることができない。

 試合終盤には連戦の疲労からか両チームともにミスでチャンスをふいにする場面が目立ち、そのままスコアを動かすことができずに試合終了。1-0で勝利した浦和は勝ち点を46に伸ばし、暫定ながら首位横浜FMとの勝ち点差を「1」に縮めた。7年ぶりとなる浦和からの白星を目指した新潟だったが、ゴールが遠く、完封負けを喫した。

(取材・文 奥山典幸)

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