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10/13A代表練習後の選手コメント

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 日本代表は13日、ベラルーシのミンスク市内で練習を行い、15日のベラルーシ戦(ジョジナ)に向けて調整した。MF本田圭佑(CSKA)は左太腿打撲のため別メニューで調整した。

以下、練習後の選手コメント

●FW香川真司(マンチェスター・U)
「寒いっすね、やっぱり。風邪を引かないよう、試合に向けてしっかり準備していきたいです」
―ベラルーシ戦に向けての修正点は?
「攻撃的なところで、チャンスをあまりつくれなかったですし、逆に数少ないチャンスに関われたところで決め切れなかったのもあったので、そういうところを徹底して意識する必要があるのかなと」
―あまりチャンスをつくれなかったところをどう改善していくか?
「チームで話はしています。ただ、この前も結構プレッシャーが来ていましたし、ああいう相手に対して何もできないのかというと、それはそれで話が終わってしまう。そこをどう打開するかという意味では、もっと考えてやらないといけない。その課題を次の試合で克服したい。フィジカルの強い相手、厳しいプレッシャー、守備で組織的な相手に対して、どういう戦い方をするかということは、もっとチームとしての方向性をイメージづけないといけないのかなと思う」
―左でもっとひきつけたほうがいいのか、右にもっとおとりになってほしいのか。
「どっちもどっちというか、展開によると思う。セルビア戦は予想以上に激しいプレッシャーで来ていたので、起点をつくろうと試みましたが、なかなかできなかった。選手間の距離感もそうだし、厳しいプレッシャーを受けてボールをもらうシーンが多かった。そういう意味では右が逆にいいリズムで回せていたので、そういう意味では臨機応変に見て、右からつくれるときはつくってもいい。でも左でできるなら僕は左からどんどんチャレンジしていきたい。セルビア戦ではできなかったので、今度はどんどんチャレンジしていきたい」
―長友選手の持ち味を生かすには?
「常に数的優位ではなかった。数的同数でうまく守られていた。そこをどういう位置でやるか、前を向いてスピードアップできるようにするか。もっと人数をかけるべきだし、もっと動きの質や量を増やして相手を惑わせていかないと、ああいう引かれて組織のある相手に対して厳しいなと感じた。動きながら、あとは中へ1本入れないと相手は怖くないし、サイドが開かない。どうリスクをかけてトライしていくか」

●FW清武弘嗣(ニュルンベルク)
「日本代表にとってはアウェーで戦う貴重な機会。大切にしたい。1戦目も負けはしたけど、いいところもたくさんあったので、そのいいところをベラルーシ戦で出せれば良いなと思っています」
―途中出場で良い場面もつくった。
「途中から出た人は流れを変える必要があるし、流れを変えられたとしてもゴールにつなげないといけないと思う」
―攻守のバランスはどうだった?
「攻守のバランスは良かったと思うが、取られたあとの切り替えはもう少し詰めていかないといけないと思う」
―ベラルーシのイメージは?
「ベラルーシはちょっと引いて守る、DFは堅いイメージ。そこをどうやって崩すかは、たくさんイメージを持ってやっていきたい」
―セルビア戦で本田選手から右に出てクロスを上げた場面は良かったが?
「ああいうのはすごくチャンスだし、中に入ってもう一回ヤットさん(遠藤)とかにはたいてボールをもらうというのはすごく効果的だったと思う。裏に一人が抜けつつ、もう一人がバイタルに入るのも効果的だった。そういうのは次に生かしていければいいと思う」
―左サイドのマークが厳しかったが?
「(長友)佑都くんと(香川)真司くんなので、それはマンマークにつかまえられると思う。それを右サイドから崩すというのは今からの課題。僕が出て、オカさん(岡崎)にもう一歩前にクロスを上げられたらゴールだったと思う。ああいうのを確実にしていかないといけない。左サイドはそうやって守られると思うが、右サイドもチャンスがないわけではない。逆にそれは自分たちにとってはフリーでボールを受けられるチャンス。自由にやりたいことをやれるのはすごくいいことなので、自分たちが決定機をつくるかゴールを決めるかというのは、それはいつも課題。この前も全体を通しては悪くなかったのでマイナスに考える必要はないと思う」
―ベラルーシの雰囲気、気候は?
「ヨーロッパなので時差もあまりないし、全然大丈夫」
―最後に柿谷と一緒に監督と話していたが?
「守備のやり方とかそういうところを再確認した。守備のことで、セルビア戦の細かいところとか、そういうことです」
―長谷部選手と同じチームになって。
「コミュニケーションはチームですごい取れますし、ハセさん(長谷部)がいつもやっているプレーなどは確認できるので、もっともっと良くなっていくと思う」
―同じチームでコミュニケーションがさらに進んだ?
「そうですね。でも今まで代表でもそうでした」

●FW岡崎慎司(マインツ)
―引いた相手を打開するには?
「1、2パターンしかないなら、それを3、4パターンに増やしていかないといけない。それは監督も言っていた。そういうふうに一つひとつ、攻撃では攻撃のパターンを増やして、決定機の回数を増やしていくことが、次の試合では課題になると思う。(ベラルーシは)ビデオを見ていいチームだなと思ったし、守りに関しては、ウズベキスタンとやっているときのように、ロシア系は体もでかくて強い。そういうチームがブロックで固めてきたとき、単純に裏へ抜けるのでは難しい」
―積み重ねの部分に甘さがある?
「それはこれまでもあったことだと思うし、徐々にW杯も見えてきて、現実的に埋めていかないといけないところもある。勝つ確率を高めていくという部分では、いい方向に行っていた中で、勝つサッカーに近づけていかないといけないところに単純に今ぶつかっているんだと思う。アウェーでいい機会なので、ぶつかっている部分で何か一つ自信になるようなことがあれば、W杯に向けていい試合になると思う。
―勝つサッカーに向かっていく中で苦しんでいる?
「苦しんでいるというか、日本代表としての課題だと思うし、そう簡単に世界の強豪に勝てるとは思わない。ベラルーシは名前ではインパクトはないけど、ビデオで試合を見たらやっぱりいいチームだなと思うし、ヨーロッパはそこそこのチームも強いということ。そこに勝ち切る力がないと、W杯では絶対にベスト16なんていけない。そう考えるなら次の相手で何かつかめるように。コンビネーションだったりは必要になってくるかなと思う」

●FW柿谷曜一朗(C大阪)
―ベラルーシの印象は?
「スペインと試合をして、やり方はいろいろあると思うけど、結果、いい試合をしている。強い相手だと思う。ただ、絶対に勝ちたいし、日本のいいところを出せればと思う」
―練習後にザッケローニ監督と話していたが?
「試合のこと。話すだけでできたら楽。次も試合に使ってもらえたらプレーで示さないといけない」
―セルビア戦で問題だった部分は?
「特にないと思う。常に裏を狙っていたし、下りてきてボールをもらおうともした。そこは臨機応変にできたら。攻守において求められていることをできれば」
―いろんな選手が攻撃に工夫が必要と話しているが?
「しっかり守られたときに、いろんなバリエーションを出して崩していかないといけない」

●MF長谷部誠(ニュルンベルク)
―ミーティングの内容は?
「セルビア戦のよかったところと修正点。守備に限らず、攻撃でももう少しテンポよく攻めたいなと。ボールキープできている中で、何回も攻撃をやり直す時間はあったので、そこで全体的な工夫が必要。守備についても、今日のミーティングでも、タクティカルファウルというか、うまくファウルを使ってもいいんじゃないかという話があった。1失点目は自分のところでボールウォッチャーになった。センタリングのところはこのチームの課題で、セルビア戦だけでなく、監督もずっと言っているし、練習でもよくやっている。試合を支配していても、小さな細かいところでやられると、ああいう試合になる。もっともっと詰めていかないといけない」
―ベラルーシの印象は?
「スペイン相手にもチャンスをつくっていた。走力のある選手が多いし、DFラインはヨーロッパ特有のフィジカルというか大きい選手がそろっていた。スペインが相手で、5バックでやっていたけど、日本にはどう来るか分からない。いいチームだと思う。個人技のある選手もいる」
―セルビア戦と同じような展開になる?
「自分たちが押し込む時間は長くなるかもしれないけど、そこからが自分たちの課題。セルビア戦は、押し込む時間が長くても結果は負けている」

●MF遠藤保仁(G大阪)
―左足首の状態は?
「コンディションは問題ない。足も日に日によくなっている。問題ない」
―セルビア戦の反省は?
「個人個人で反省点や動きの確認をしている。感じたことはしっかり選手同士で話しているし、次の試合でよりいいものを出せれば」
―守備の反省点は?
「2失点目のカウンターは自分たちのミスから始まっている。前がかりになっていたのはしょうがない。ただ、常にリスクマネジメントはしておかないといけない。極力、高い位置でボールを奪う。最悪、ファウルで止めることも必要。セットプレーも自分たちの課題の一つ。大きい相手はこれからも増えると思うし、セカンドボールの意識はより高めないといけない」
―ベラルーシ戦に向けては?
「セルビア戦も、ボールはキープしていても決定機は少なかった。より決定機を増やせるように、個人で打開することも必要。ゴール前でいろんなアイデアを出すことが大事だし、より多くのアイデアを出せれば得点のチャンスも生まれると思う」
―セルビア戦は攻撃が手詰まりだった?
「その場その場で工夫が必要。中央から強引に決めることも必要になってくる。サイドで数的優位をつくることをやり続けながら時には中から行くことも大事。狭いスペースで裏に抜け出す動きを続けていけば、少しは改善されると思う。自分たちのストロングポイントは相手も研究して、つぶしてくる。そこで別のオプションも必要になる。いろんなパターンで攻撃ができるように幅を広げていきたい」

●DF内田篤人(シャルケ)
―ミーティングの内容は?
「意外にポジティブだった。まだ次、試合があるから。今日の練習も軽かったし、切り替えも大事」
―セルビア戦は攻撃参加のシーンも多かったが?
「試合前は『バランスを見てほしい』『上がる回数は抑えてほしい』という指示もあったけど、左が抑えられていたので助けたいなと思った。上がったら、監督も何も言ってこなかったので、それでいいのかなと」
―今後も日本の左サイドは警戒されそうだが、右からの攻撃も大事になる?
「左右両方バランスよく攻めるのが、いいバランスだとは思ってない。左が行けなければ右が行けばいいし、試合の状況を見ながらだと思う」

●GK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)
「内容に関してはポジティブな部分はあったと思うが、納得できるようなものではなかった。ただ、自分たちとしてはブレずにやっていくことが大事。結果だけ見れば悲観的になるのもしょうがないと思うけど、自分たちが今までやってきたこと、持ってきた自信というのは絶対に失ってはいけない。守備の部分でもチーム全体としては良くなっているが、最後のところなどはまだまだ詰めていかないといけない」
―2失点がセットプレーからの流れとカウンターだった。
「あれくらいのレベルになれば、決めるところは確実に決めてくる。自分たちも決め切らないといけない部分はあったと思うが、相手のそういうところを自分たちもしのぎ切って、今回のアウェーの戦いの中でも最低でも引き分けに持っていくようにしないといけない。W杯に向けた戦いを詰めていきながら、結果にこだわる部分も出していかないといけないと思う」
―W杯ではセルビアやブルガリアあたりのクラスには勝たないといけない。
「日本代表として戦って、結果にこだわっている部分はもちろんあるが、目先の結果だけにこだわって、自分たちが5%でも10%でもキャパシティーを広げられるというところで、それを放棄というか、目の前の結果だけにこだわることもできると思う。でも今はまだそういう時期ではない。自分たちの能力を攻守の面で5%でも10%でも上げることに取り組む時期だと思う。もちろん、だからといって結果はどうでもいいというわけではない」

●DF長友佑都(インテル)
「前半の最初は相手も押し込んできたけど、そこから落ち着いてきたときに、自分たちはボールを回しているんだけど相手の脅威にはまったくなっていなかった。相手からしたら、ボールを回させているという状況だったから」
―前線にボールが入らなかったが?
「前線の動きもね、単発になっていたから。岡崎もダイアゴナルに走ったりとかもあったけど、全部相手に読まれてついてこられていた。そうなった時に、誰がスペースに走ったり、そういう連動性の部分で欠けていたのかなというのは正直あって。結局サイドでも僕はほぼマンマークでつかれていたし、ずっとどこにいってもつかれていた」。でも逆にそういう状況で相手のサイドの選手が僕についているということは、中では相手も薄くなっているということだし、そこをも っと突けなかったかなとは思う」
―選手同士で話は?
「今日は今ちゃんとかみんなともいろいろ話したけど、もっとCBも攻撃参加してもいいのかなと。僕とかがマークにつかれている状況で、そのマークも引きつけて高い位置を取っているので、空いたところに今ちゃんとかも流れてそこで相手のボランチだったり、もしくは僕についているマークをうまくおびき寄せられれば、もっと誰かが空いて、連動した攻撃ができる」
―リスクマネジメントの意識が攻撃の足かせになっている?
「まああの…そうですね。何だろうな。確かにちょっと戦い方がわかりやすいかなと。戦術でそのままというのでは、相手も研究してくるので。ああなった時に自分たちのアイディアをどう出すのか。すべてが戦術通りだと、相手は崩せない。やっぱりリスクや相手のカウンターを気にするばかりに、今度は攻撃の面でリスクを冒している。裏目に出ているところが正直ある。だから変に相手が前線に一枚しか残っていないのに、こちらは3枚後ろで残っていたり。そうなると結局攻撃で数的有利は作れない。相手一人に対しては、こちらはプラス一人余って対応すればいいことなので。日本のサッカー、僕たちが求めているのはそれではできない」
―1年前のフランス戦では、ここというところでスイッチを入れたが?
「そうなんですよね。やっぱり、前半の最初とか相手のSBも高い位置に取ってきて、真司が相当低い位置まで戻って守備をしないといけなかった。そうなるとそこからなかなか上がることもできないし、体力も消耗してしまう。僕たちが逆に相手にああいうことをやらないといけないのであって。そのあまりにも昨日は相手のカウンターが恐かったりすることで、後ろに人が余り過ぎていたかなという」
―裏への飛び出しは?
「もっと飛び出していく選手、スイッチを入れる時にはみんなで相手のゴールに襲い掛かるとか、そういうサッカーをしていかないと難しい」
―シュートも足りなかった?
「もっとミドルとかも打って行っていいんですよ。あれだけ固められた状況だったけど、でもこちらのボランチも空いているシーンもあった。ミドルという選択肢があれば、相手が前に出る、アプローチに出ないといけない状況になる。そういう駆け引きを僕たちももっと覚えないといけない。 カウンターを怖れすぎて、あまりにも後ろに人が余っている状況、それで自分たちのことを苦しめている。攻撃に出たときに、人数を掛けられない」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子)

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