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名古屋が連勝で首位叩き!俊輔欠場の横浜FMは7戦ぶり敗戦

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[11.10 J1第31節 横浜FM1-2名古屋 日産ス]

 J1は10日、各地で第31節を行い、首位の横浜F・マリノスはホームの日産スタジアムに12位名古屋グランパスを迎えた。大黒柱の中村俊輔を欠く苦しい状況下の横浜FMは、前半8分にFWケネディにPKを沈められ先制を許す。後半に入ると開始6分にMF兵藤慎剛のゴールで同点にするが、8分にはMF藤本淳吾のゴールで名古屋が勝ち越し。その後の横浜FMの反撃も及ばず、スコアが動かないまま試合は終了。横浜FMは暫定で首位をキープしたものの、勝ち点を伸ばすことはできなかった。

 6戦負けなしで首位をいく横浜FMは、今季全試合に出場してきた中村俊輔が胆のう炎を患ったため離脱。トップ下には、ボランチのMF中町公祐がポジションをひとつ上げた。5試合連続無失点中の最終ラインにはDF栗原勇蔵が出場停止明けでスタメンに復帰した。

 前節大宮戦(2-1)で7試合ぶりに勝利を挙げた名古屋は、中盤をボックス型に配した4-4-2の布陣。大宮戦のスタメンから2人変更し、藤本とMF田口泰士が復帰した。

 立ち上がり早々、ホームの横浜FMにチャンスが訪れる。前半3分、右サイドを抜け出した兵藤のクロスをPA内で待ち構えていたMF齋藤学がダイレクトで右足で合わせる。シュートは枠をとらえたが、DF阿部翔平がブロックに入り、ボールはクロスバーに弾き返されてしまった。

 いいリズムで試合に入ったかと思われた横浜FMだったが、中澤が阿部のクロスボールの処理でハンドを犯しPKを献上してしまう。これをケネディがゴール左隅に落ち着いて決め、アウェーの名古屋が先制する。

 いきなりスコアは動いたが、両チームともに球際で激しいプレーを見せて試合は膠着状態に入る。中村俊輔を欠く横浜FMは前線に思うようにボールが入らず、なかなかチャンスに結びつけることができない。それでも前半27分にはFKから栗原のヘディングがネットを揺らすが、GK楢崎正剛と競り合ったFWマルキーニョスがオフサイドポジションにいたとして、ゴールは認められなかった。

 名古屋もショートカウンターからチャンス。藤本が左サイドを抜け出してゴール前に走り込んだFW玉田圭司にパスを送るが合わせることはできなかった

 前半終了間際には横浜FMに決定機をつくる。セットプレーの流れからMF富澤清太郎がPA外から右足を一閃。シュートはGK楢崎に弾かれクロスバーに跳ね返される。さらに、そのこぼれ球を栗原が頭でとらえるが、ボールはクロスバーを超えてしまった。

 1点のビハインドで迎えた後半、ハーフタイムでの樋口靖洋監督の「攻撃は前への推進力をもっと出していこう」というコメントのとおり、横浜FMが積極的にしかける。すると、開始早々に横浜FMがスコアを動かす。同6分、敵陣中央でボールを持った齋藤が名古屋ゴールに向かってドリブルを始めると、名古屋DFは人数が揃っていながらも齋藤に釘付けに。その一瞬の隙を見逃さなかった齋藤がスルーパスを送ると、兵藤が冷静に流し込んで横浜FMが試合を振り出しに戻した。

 スタジアムの興奮が冷めやらぬ中、今度は名古屋が逆襲。同点にされた2分後には、阿部のスルーパスをPA内で受けた藤本が左足を振り抜くとGK榎本哲也に当たりながらもネットを揺らし、名古屋がすぐさま勝ち越しに成功する。

 後半13分、再び1点を追うことになった横浜FMが交代のカードを切る。MF小椋祥平に代えてFW藤田祥史を投入、マルキーニョスと藤田の2トップにして前線に人数をかける。それでもボールを引き出す動きが少なくボールは持てても効果的な攻撃ができない横浜FMは、DF田中マルクス闘莉王とDF増川隆洋を中心にゴール前を固める名古屋を崩せない。

 44分にはカウンターから齋藤がドリブルで一人をかわして中央でフリーの藤田へ。しかし、左足から放たれたシュートは、枠をとらえられずゴールポスト右へとそれてしまった。試合終盤はゴール前にロングボールを放り込み名古屋ゴールに迫る横浜FMだったが、反撃およばず。2-1で勝利した名古屋は勝ち点を43に伸ばし、第20節以来3か月ぶりの連勝を飾った。

 9試合ぶりに2失点を許した横浜FMは、優勝に向けて痛い敗戦。この後19時から行われる2位浦和の結果次第では首位陥落の可能性もある。

(取材・文 奥山典幸)

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