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[大学選手権]ダークホースの資格十分、宮崎産業経営大が北陸大に3発快勝発進

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[12.14 大学選手権1回戦 宮崎産業経営大3-0北陸大 荻野]

 第62回大学サッカー選手権大会が14日に開幕。1回戦が各地で行われた。厚木市荻野運動公園競技場の第1試合では九州リーグ2位の宮崎産業経営大と北信越リーグチャンピオンの北陸大が対戦。試合は九州リーグで最多55得点を誇る攻撃力をみせた宮崎産業経営大が3-0で勝利し、明治大(関東3)との2回戦に駒を進めた。

「自分たちのサッカーが出来た。九州リーグで1年間やってきたことを表現出来たと思っています」。Jリーグ発足時にはサンフレッチェ広島に所属。J通算93試合の出場歴を誇る笛真人監督は満足げに試合を振り返った。

 立ち上がりの時間帯はどちらに転ぶかは分からなかった。ただ前線の選手にスピードがある北陸大に宮崎産業経営大守備陣はしっかり対応。徐々にペースを引き寄せていった。

 すると前半24分、再三チャンスを作っていた左サイドから崩すと、オーバーラップしたDF平河智博(2年=鵬翔高)がゴール前にクロスを上げる。相手に一度はかき出されるも、拾ったMF江崎太志(3年=神村学園高)が倒れ込みながらシュート。これが見事ゴールネットを捕え、宮崎産業経営大に待望の先制点が生まれた。

 なおも勢いづく宮崎産業経営大は前半43分、DF大久保正千栄(4年=神村学園高)のロングパスでFW加藤直也(4年=鵬翔高)がDFの裏に抜け出す。北陸大GK原田洋斗(4年=都立若葉総合高)も果敢に飛び出し対応するが、加藤が難なくかわしゴール。さらに前半アディショナルタイムに突入してた1分、ゴール中央でボールを持ったMF徳永大輝(4年=アミーゴス鹿児島U-18)が右足を一閃。地を這うようなミドルシュートがゴール右隅に収まり前半だけでリードを3点に広げた。

 北陸大も反撃は試みる。ただ攻撃が単発で終わる場面が多く、崩し切るまでは至らない。後半16分には入ったばかりのMF菅原悠平(2年=浦和東高)が決定的なシュートを放つが枠上に外れる。同38分にはDF高橋和雅(3年=桐生一高)が直接FKを狙うが、GKの正面を突いてしまった。

 後半はスコアレスに終わった試合だが、宮崎産業経営大が落ち着いてゲームを終わらせた印象。笛監督は「パスの質、連動性が課題」と話したが、やはり勝負どころをわきまえた戦いぶりは北陸大より1枚上手だった。

 通年では2位に終わったが、後期だけに区切ると1位の成績を残した今季の宮崎産業経営大。大会直前に行った九州代表校だけの合宿でもリーグ優勝した鹿屋体育大に勝利するなど、状態はさらに上向きだ。「明治大が相手でもいいゲームの入りが出来れば自分たちの展開に持ち込めると思う」。先制点を挙げた江崎がと自信をみなぎらせたように、ダークホースになりうる資格は十分だ。

(取材・文 児玉幸洋)

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