[12.15 高円宮杯チャンピオンシップ 流通経済大柏高1-1(PK5-4)神戸U-18 埼玉]　

　アルビレックス新潟内定の流通経済大柏MF小泉慶(3年)はこの日の朝、0-1で敗れた高校選手権千葉県予選決勝の映像を見返したという。「試合行く前に市船戦のビデオを見てきました。やっぱり見て、絶対にきょうは嬉し涙流すと決めていた。それだけでした。朝見てマジで日本一になりたかったです」。市立船橋戦では同じく10番を背負っていた相手のエースFW石田雅俊を徹底マーク。抜群の得点力を誇る石田にゴールを許さなかったが、試合には敗れた。だからこそ、今回は勝って嬉し涙を流すと決めていた。

　前半はなかなかボールに絡むことができず。日頃から「どんな試合でも存在感を出さなければいけない」という小泉にとっては不満の出来。ただギアを上げた後半は「自分には走るしかない」とサイド、DFラインをもカバーする走りとボール奪取を見せると、攻撃面でも絶妙のコントロールで抜け出して右足シュートを放つシーンがあった。そして。後半終了間際に足を攣らせるまで走りきり、体力を全て使い果たした。
　
　日本一獲得を「本当に嬉しかったです」と喜んだ小泉。ただし「前半と後半だったら、自分は前半消えていたので、後半では徐々に存在感出せていたんですけど、トータルで出していかなければ、これからキツくなる。サッカーは前半だけよくても、後半だけよくてもダメなので、トータルで存在感を示せるようにやっていきたいですね」と今後の成長を誓う。「自分が大事にしたいのは走るっていうか、がむしゃらに泥臭く頑張るだけですね。(特長は)ボール奪取。感覚的な部分もあるんですけど、イエローとかレッドカードとかビビっていたら取れない」。これから飛び込むプロの世界でも相手エースを潰し続けた“気持ちのディフェンス”を変えるつもりは全くない。

(取材・文　吉田太郎)

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