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[大学選手権]4戦6発!大阪体育大の2年生エース、FW澤上が“得点王”

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[12.25 大学選手権決勝 国士舘大1-3大阪体育大 国立]

 大阪体育大の2年生エース、FW澤上竜二(飛龍高)が6得点で今大会の最多得点者、“得点王”となった。この日はボールを持った瞬間に鋭いプレスをかけてくる相手DF陣の前に苦戦。後半11分に鋭いターンから放った強烈な左足シュートなど、輝きも放ったが無得点に終わり、本人は非常に悔しがっていた。「全試合ゴールが目標やったんで。準決勝までは(相手が)特長とかもあんま分かっていなくて、決勝で特長を抑えられた。関西だったら抑えながらターンできていたけど、(今大会は)背負ってのプレーばっかりで……。前を向いてプレーできるFWになりたい」と課題ばかりが口をついて出ていた。

 それでも今大会は新潟経営大との初戦でハットトリックを達成。準決勝まで3試合連続の計6ゴールを記録した。関西学生リーグ1部では22得点を挙げてリーグMVPを獲得。関西リーグ1部に加え、初の全日本大学選手権でも強烈なインパクトを残した。「去年はリーグ戦でも点を取れない時期が結構長くあった。今年はそれもなく、結構コンスタントに点を取れている。そういう部分では少しは成長できていると思います。全日本の大学選抜にもアピールできたと思うのでそれは良かった。でも、きょうのプレーだったら全然。残っていけないと思うので、プレーの質を高めていかないといけない」。優勝したがエースは全く満足していなかった。

 関西リーグ1部で熾烈な得点王争いを演じ、ともに全日本大学選抜に選出された同じ2年生のライバル、関西学院大FW呉屋大翔と切磋琢磨しながらレベルアップしてきた。今大会では呉屋が初戦だった1回戦でハットトリックを達成すると、澤上は同じく初戦だった2回戦でハットトリックを達成。澤上はライバル以上の結果を目指し、ゴール数を伸ばした。

 この日の朝にはその呉屋から澤上にLINE(ライン)でメッセージが入った。澤上は「『頑張れよ』って書いてありました。『でも点は取るな』と。『でも、得点王はもうもらった』と返しました」と笑顔。この日、澤上は呉屋の“希望通り”に無得点に終わった。だが、“得点王”に輝き、呉屋よりも先に日本一の喜びを味わった。
 
 呉屋やその他のライバルたちに負けないように、来年も成長するだけ。「今年日本一取って、来年勝てなかったら意味が無い。(今年は)自分の周りで4回生がカバーしてくれた部分があると思う。自分が周りの選手をカバーできるようにしていきたい」と澤上。「日本一軍団」のエースはより強い自覚をもって来シーズンに臨む。

(取材・文 吉田太郎)

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