beacon

[選手権]V候補・東福岡が6発発進!!初出場の米沢中央を圧倒

このエントリーをはてなブックマークに追加

[12.31 高校選手権1回戦 東福岡6-0米沢中央 埼玉]

 第92回全国高校サッカー選手権は31日、各地で1回戦を行った。埼玉スタジアムの第2試合では、4年ぶり15回目の出場で15年ぶりの優勝を目指す東福岡(福岡)が初出場の米沢中央(山形)に6-0で大勝。来年1月2日の2回戦では佐賀東(佐賀)と対戦する。

 “西の優勝候補”が大量6ゴールで初戦を突破した。前半11分、相手GKのキックをMF草野昂希(3年)がダイレクトで跳ね返すと、U-18日本代表候補FW木戸皓貴(3年)がDFと競り合いながらゴール前に抜け出す。相手を弾き飛ばし、左足でゴールに叩き込んだ。

「いい形で木戸が先取点を取ってくれた」と森重潤也監督も感謝した先制点。5バック気味に守備を固めてきた米沢中央に対し、早い時間帯にリードを奪ったことでチームは落ち着いた。前半28分にはU-18日本代表候補MF松田天馬(3年)からのスルーパスに木戸が抜け出し、右足で2得点目。エースの連続ゴールで完全に試合の主導権を握った。

「相手が5バック? そういう形になるのではないかと思っていた。しっかりサイドを使いながら相手を広げて、サイドからも中央からも攻められればと思っていた。(松田)天馬から木戸へのパスは、抜け出しとパスのタイミングが合った得点だった」。中央からの理想的な追加点。前半32分にも右サイドのスローインからMF阿部敬太主将(3年)のクロスにMF赤木翼(2年)が打点の高いヘディングで合わせ、前半だけで3-0とリードを広げた。

 後半も攻撃の手を緩めることなく、攻め抜いた。後半20分、カウンターから木戸のラストパスに反応した阿部が左足ダイレクトで4点目。同28分にはDFキム・ヨダン(3年)のスルーパスからPA内左へ抜け出した阿部の折り返しが相手のオウンゴールを誘った。後半アディショナルタイムにも松田が左サイドからドリブルでPA内へ切れ込み、DFをかわしてマイナスのクロス。相手のクリアミスからこぼれ球を途中出場のMF増山朝陽(2年)が右足で流し込み、6-0のゴールラッシュを締めくくった。

 今夏、地元・福岡で開催された全国高校総体でも優勝候補に挙げられながら、初戦で滝川二(兵庫)に0-1で敗戦。森重監督も「インターハイの敗戦が一つのきっかけになった。一人ひとりが意識を持ち直して、夏の遠征では大学生に胸を借りて戦う中で鍛えられた」と指摘する。プレミアリーグWESTでも最終節まで優勝の可能性を残し、2位でフィニッシュ。「プレミアでは、(球際で)軽いとかわされる。そういうテクニックはJクラブのほうが高い。そういう経験値は上がった」と、さまざまな経験がチームを成長させてきた。

 優勝候補に挙げられていることについても「全国でトップに行ってもおかしくないかもしれないけど、そう簡単にはいかないことも分かっている」と慎重に話す。「技術的にはそこに行ける要素があったとしても、トータルで見たら、そこまでは行けないチームかもしれない。一戦一戦、この大会を通してそういうチームになっていけば」。次の相手は佐賀東。Bチームが参戦していたプリンスリーグ九州2部で6-1、5-1と大勝しているが、「参考にはしたくない。侮らず、しっかり戦いたい」と力を込める。

 一戦必勝は、全国総体の教訓でもある。キャプテンの阿部は「一安心という感じだけど、ここを目指していたわけじゃない」と力説。佐賀東戦に向け、「九州勢には絶対に負けられない。しっかり目の前の試合に力を入れて、集中して戦いたい」と気持ちを引き締め直していた。

(取材・文 西山紘平)

▼関連リンク
【特設】高校選手権2013

TOP