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通算38得点で原専務理事超えの岡崎。日本代表歴代3位にご満悦

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[3.5 キリンチャレンジ杯 日本4-2ニュージーランド 国立]

 いきなりの鮮烈ゴールだった。W杯イヤーの日本代表初戦。ニュージーランドを相手に先制点を叩き込んだのは、ザックジャパンが誇るストライカー、FW岡崎慎司(マインツ)だった。

 前半4分、ハーフウェーライン付近の左サイドでボールを持ったMF香川真司がDFラインの裏へ浮き球のパス。裏へ抜け出した岡崎は、DFに体を当てられて体勢を崩しながら執念で足を伸ばすと、その足は相手より少しだけ前へ伸びていた。飛び出していたGKの脇を抜けてゴール。岡崎らしい、泥臭い得点だ。

「真司がよくあそこを見てくれた。ボールが揺れて落ちたのでトラップは失敗したけど、相手がもたついていたのが見えた。諦めずに足を伸ばしたのが良かった」

 裏へ抜けたのは「狙い通り」だと言う。引いてくることも予想された相手だったが、試合が始まってみると、思ったほど引いて来ず、SBが裏のケアを怠っていた。「相手がまったく僕を見ていなかった。それが1点目につながった」と自画自賛だ。
 
 これで原博実専務理事の持つ国際Aマッチ37得点に並ぶと、前半17分、岡崎はまたしてもビッグチャンスを迎えた。

 左サイドをドリブルで持ち上がった香川からパスを受けたMF本田圭佑が、ペナルティーアーク付近からヒールキックで岡崎へパス。右サイドからゴール前へ走り込んでいた岡崎が、今度は左足でシュートを決める。

 相手GKを蹴散らかすような威力で、ゴール。日本にとっては4点目、岡崎にとっては、通算38得点目。原専務理事を抜き、単独3位に浮上した。

「自分がハッキリ動いていることで、出し手もわかりやすいのだと思う。マインツで心掛けているように、あえて引かずに自分の持ち場で勝負した」

 W杯まで残り3か月。4年前の岡田ジャパン時代とは規格の変わったストライカーが、ザックジャパンにいる。

(取材・文 矢内由美子)

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