[3.18 ナビスコ杯第1節 F東京3-1鹿島 味スタ]

　15日の神戸戦(1-2)から、先発メンバーを大幅に入れ替えたFC東京。2試合連続で先発した3人のうちの1人が、DF太田宏介だった。「試合に出ていないメンバーが多かったので、アップのときから『今日はやってやろう』っていう気持ちが出ていた。良い雰囲気の中でやれた」と言う太田は「1点目を早い時間帯に取れたことも、若い選手たちをのせることができた要因だったかなと思います」と、試合を振り返り「追加点もすぐ取れたし」と付け足した。

　この追加点を決めたのが、他ならぬ太田だった。左サイドでパス交換に絡み、ボールを預けてから前線に飛び出すタイミングをうかがった。ボールを持ったMF河野広貴が左サイドを駆け上がり、中央にFW渡邉千真、FW平山相太が走り込んでDFを引き付けた後、PA内に侵入。河野からのパスを受け、ゴールを射抜いた。

「(河野)広貴が持ち出した時点で、中に入って行けばリターンのパスが来るなと思っていました。練習からも広貴とは良い関係でできていたので、理想通りでしたね。しかも、めちゃめちゃ狙ったところにボールを蹴れて。何かあそこが見えていたんですよね。冷静に決めることができました」

　自身のゴールに胸を張る太田は、「90分を通して、失点したことは余計でしたが、また新しいFC東京を見せられたかなと思います」と好感触を口にし、「でも、この勝利は次に絶対につなげなければいけない。前まで出ていた選手が明日から練習に戻ってくるわけで、良い競争が生まれると思う。自分自身もウカウカしていられない。すごく意味のある一勝だと思うし、チーム内の競争を活発化させないといけない」と、まだ勝利のないリーグ戦につなげていくことが肝要だと強調した。

(取材・文　河合拓)

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