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[サニックス杯]5-4-1の新スタイルで上々のスタート、青森山田が福岡U-18に快勝

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[3.21サニックス杯国際ユース大会 青森山田高3-0福岡U-18 グローバルアリーナ]

 サニックス杯国際ユースサッカー大会2014のグループリーグ2日目が21日、福岡県宗像市のグローバルアリーナで行われた。グループCの青森山田高アビスパ福岡U-18は3-0で青森山田が勝利。青森山田は続く鹿児島実高(鹿児島)との試合も1-0で勝利し、3戦全勝の首位でグループリーグを通過した。

 新たな青森山田スタイルが福岡の地で上々のお披露目を行った。長年、青森山田は4-4-2のダブルボランチシステムが定番となっていたが、「昨年より繋ぐ力が落ちるので、サンフレッチェのような堅守速攻のサッカーを試してみよう」(黒田剛監督)と今大会の直前からJリーグ王者と同じく5-4-1システムを採用した。雪の影響でまともな練習が出来ない状態が続き、決して状態が良いとは言えないが、この日は開始から福岡U-18を翻弄。MF野中優之介を中心としたボール回しから、FW町田蘭次郎らの仕掛けで襲い掛かる福岡U-18の攻撃を、DF平松遼太郎を中心とした5バックで守り切る。そしてボールを奪うと、右の小笠原学、左の北城俊幸の両ウイングバックが中盤と数的優位を作りながら、前進していく。

 均衡が破れたのは前半13分。MF山下優人の右CKを東京Vユースから移籍し、今大会が青森山田でのデビュー戦となったDF小坂悠登が頭で合わせて先制する。「高さのあるDFが多いので彼らを多く使い、有効活用するのも狙いの一つ」(黒田監督)と思惑通りのセットプレーで先手を打つと、以降は「昨年より落ちるだけであって、決して繋ぐのは下手ではない。機を見て山田らしいポゼッションも出していきたい」という指揮官の意気込み通り、攻撃陣による細かい崩しで押し込む場面も増加していく。
 
 1点リードのまま迎えた後半は「必ず相手もムキになって前にかかってくるので、スペースは出てくる」(黒田監督)との読み通り、反撃に出ようとして前がかりになった福岡U-18の背後のスペースへ両サイドから配球。1トップのFW丹代藍人らの飛び出し、チャンスを作ると、後半27分には丹代がドリブルでゴール前を抜け出し、2点目を獲得。終了間際の後半34分にも途中出場のFW中田稜大がダメ押し点を奪い、福岡U-18を退けた。

 毎年1月から3月にかけては雪に悩まされる青森ならでは苦しみはある。グラウンドでの練習不足だけでなく、今年は試運転となるはずだったが、2月の東北新人大会も積雪のため、大雪の中で実施されたわずか1試合のみで大会中止。今大会が実質、今年初めての対外試合となった。「まだまだ試している状態」と指揮官は口にしながらも、「失点があったら勝てない。ここまで無失点で来ているのは収穫だと思う。勝ち方を分かっていけば良いので、最悪0-0でも良い。一番大事なのは勝利をしたり、ゼロで抑えたりしながら、彼らが自信を持っていく。何試合、自分たちの意図した事が出来るか試している状態だけど、集中力を切らさず上手くやっているのが伝わってくる」と上々のスタートに満足げだった。

(取材・文 森田将義)

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