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代表合宿に切り替えるC大阪MF長谷川「チャンスをつかむか、つかまないかは自分次第」

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[4.6 J1第6節 柏2-1C大阪 柏]

 猛暑のタイで行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)のアウェーゲームから中3日。長距離移動を経て柏レイソルとの一戦に臨んだセレッソ大阪だったが、試合に1-2で敗れて今季2敗目を喫した。開始早々の前半6分にFW田中順也のゴールで先制されたが、選手たちはこのゴールを「もったいなかった」と、異口同音に悔やんだ。

 ACLのブリーラム・U戦(2-2)に続き2列目で先発したMF長谷川アーリアジャスールも、その一人だ。「タイトなスケジュールの中で、自分たちのサッカーをやろうとしていた中での失点でしたし、最初から気を付けようとしていたので、もったいなかったなというのが正直な感想ですし、すごく苦しい展開になりました」。ただし、失点だけが問題ではないと続ける。「それでも、前半のうちに1対1も、自分を含めてチャンスはたくさんありましたし、そこで決めきれなかったのが、こういう結果になったのかなと思います」と、得点を挙げられなかったことを、強く反省した。

 序盤、前線にボールが供給されないことで、FWのフォルランは中盤まで下がって、組み立てる役割をこなした。そこからボールが前に送られる回数が増え、2列目から長谷川やMF南野拓実が1トップとなった柿谷曜一朗と絡む攻撃は、機能していたように見えた。

 長谷川は「ディエゴ(・フォルラン)がボールに触りたがったからだと思います」と、この形が特別に練習したものではないことを示唆し、「ディエゴが引いた分、オレと(南野)拓実が裏を狙っていましたし、なるべく(柿谷)曜一朗を孤立しないようにというふうに意識はしてやっていました」と、ウルグアイ代表FWの意を汲んだプレーができていたと続ける。

 ただし、「ディエゴが下がってきた分、前に曜一朗しかいなくなって孤立した時間帯も長かった。本来ならできるたけ、オレとか拓実が中に入って(ゲームを組み立てて)、ああいうイヤな位置、前にディエゴと曜一朗がいるほうが、もっとスムーズにできたと思う」と、この形は決して理想的ではないことも付け加えた。

 全体のバランスを意識する長谷川は、自分たちが前にいて、フォルランが残っているときに、ボールを失った状況が気になっていたようだ。「どうしても、オレとかが上がることで、スペースはできますし、取られてカウンターというのもありますので。その辺は時間帯によって、保持するべきか、裏を狙うべきなのか、使い分けを全員が同じ意識を持ってやらないといけない」と、意思を統一する必要があると訴えた。

 次節まで、約1週間の時間がある。この期間の練習でコミュニケーションを取りたいところだが、長谷川には日本代表候補合宿が控えている。

「この試合に勝って、代表合宿に臨みたかったのですが…」と、敗戦直後だけに悔しさがぬぐい切れていない様子の長谷川だったが、「次は目の前の3日間、チームとしてやるべきことをやりながらも、こういうチャンスをいただいたのでアピールしたい」と、W杯のメンバー発表前、最後となる代表合宿への想いを語った。

「このチャンスをつかむか、つかまないかは、自分次第。今までやっていなかったことをやるのではなく、自分の持っているものをしっかり出したいと思います。自分の持ち味は、前にボールを運べるところ、決定的なパスだったり、ミドルシュート。代表に選ばれたのは2012年以来ですが、その間も試合はずっと見ていました。短い時間ですが、チームとしてやるべきことをやりながら、自分の特長をアピールしてきたい。その後に、またダービーに向けて準備をしたいです」と、2年ぶりとなる代表活動に気持ちを切り替えた。

(取材・文 河合拓)

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