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W杯メンバー発表まで約1か月、ザック「ギリギリまで悩みたい」

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 日本代表候補は9日、千葉県内で流通経済大と練習試合を行い、3日間の短期合宿を打ち上げた。練習試合後、報道陣の取材に応じたアルベルト・ザッケローニ監督は、5月12日のW杯メンバー発表を約1か月後に控え、「できる限りギリギリまで悩みたい」と、現在の心境を語った。

 代表候補初選出7人を含め、国内組の新戦力や当落線上にいる選手たちを招集した今合宿。「当然、他にも多くの見たい選手がいたが、(招集できる)人数は限られているし、スケジュールもタイトなので、なるべくニューフェイスを見たいと思った」。国内組でも常連のFW柿谷曜一朗(C大阪)、MF遠藤保仁(G大阪)、MF山口蛍(C大阪)、DF今野泰幸(G大阪)、DF森重真人(F東京)らが招集を見送られており、チームの底上げにつながる新戦力の見極めが最大の目的だった。

 今後はヨーロッパに飛び、欧州組を視察する予定のザッケローニ監督は「選手には『ヨーロッパの視察から戻ってきたら、また国内でみんなのことをしっかり見る』と伝えた。並行してスタッフが国内組の視察を続けるので、万全の視察の状況ができている」と力説。「360度、全面的に何一つおろそかにすることなく、情報を集めたい。平等に国内組と海外組を見ていく」と話し、選考基準な大事なポイントとしてコンディションを挙げた。

「当然、4年間やっているので、コンディションがいい前提でベースとなるグループはあるが、ブラジルの気候や条件、移動などを考えると、コンディションのいいメンバーが代表に入ってくるべきではないかと思っている」

 J1はW杯メンバー発表まで残り7節。そこで結果を残し続けるような勢いのある選手が大逆転でブラジル行きの切符を手に入れる可能性もある。「メンバー発表まで、日にちも残り少なくなってきた。それまでにできるだけ多くの情報を集めたい。能力だけでなく、コンディションもだれがいいのかを見極めないといけない」。そう話したザッケローニ監督は「問題になっているのは人材不足による悩みではなく、人材豊富ゆえの悩みということ。時に監督は人材不足という状況が多いが、そういう状況ではない。選手全員が健康で、コンディションが良いことを祈っている」と、最後の最後まで頭を悩ますことになりそうだ。

(取材・文 西山紘平)

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