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海自厚木マーカスが圧勝、最多17度目の優勝:全国自衛隊サッカー大会

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[4.27 全国自衛隊大会決勝 海自厚木マーカス 4-0 陸自習志野]

 全国の自衛隊基地・駐屯地で活動するサッカーチームの日本一決定戦「第48回全国自衛隊サッカー大会」は、27日に味の素フィールド西が丘で決勝戦を行い、前回4位の海上自衛隊厚木基地マーカス(海自厚木マーカス)が4-0で陸上自衛隊習志野駐屯地(陸自習志野)を下し、史上最多17度目の優勝を飾った。

 キャリアの差は歴然だった。海自厚木マーカスは、試合開始わずか50秒で先制すると、一方的に試合の主導権を握って攻め立てた。初優勝を狙った陸自習志野は堅守速攻が持ち味だが、ミスから早々にリードを奪われて出鼻をくじかれた。海自厚木マーカスは、左サイドで得たFKからゴール中央へ攻め込むと、MF大楠恭平(士長・神村学園高出身)がシュート。当たり損ねて力のないボールとなったが、相手GKが痛恨のキャッチミスを犯し、先制ゴールとなった。それでも陸自習志野は前半16分に鶴田祐助(3曹・長崎工高出身)、小沼拓矢(士長・桃山学院大出身)とつないで右MF鎌田達也(1士・流通経済大出身)がシュートを放って反撃。2分後には鎌田のクロスがバーをたたく場面もあった。前半23分には左MF渡邊修宏(3曹・郡山商高出身)のクロスのこぼれ球をMF敦谷高大(1士・札幌大出身)がシュートを放ったが、ゴールの枠を外れた。士気は落ちていなかっただけに、1点差ならば勝敗の行方は分からなかったが、海自厚木マーカスは前半24分にMF工藤隼人(士長・神奈川大出身)が直接FKを鮮やかに決めて追加点をマーク。その後は、攻撃時にはハーフコートゲームに押し込むなど、攻勢を続けた。

 選手層の違いも、連戦では大きく影響した。どちらも7日で6試合を消化するハードスケジュール。ハーフタイムでとも2名を交代したが、海自厚木マーカスが後半から投入したのは、本来はレギュラー格のMF川手龍之介(士長・流通経済大出身)と22歳の若手MF安沢悠(2士・関東学院大出身)。後半4分、6分、8分と立て続けにシュートチャンスを作り、一方的な試合に持ち込んだ。後半17分には左からのクロスを右DF濱元諒一(士長・鹿児島城西高出身)が豪快に決めて3点目。その後もクロスバーをたたく場面を作るなど攻め手を緩めず、後半27分に右MF上野章大(士長・東野高出身)がダメ押しの4点目を奪って、リードを広げた。あとは、試合終了の笛を待つだけだった。スコアは4-0。歓喜の瞬間を迎え、山崎裕貴監督は「(連覇を逃した前回からの)1年間の思いをぶつけようと約束して臨んだ。勝たなければいけないというプレッシャーの中で、選手たちが優勝の座を取り返したことは誇りに思う。特にこの大会で若手がレベルアップしてくれた。良い顔で職場に戻れる」と2年ぶりの優勝を喜んだ。

 一方、陸自習志野は最後まで戦う姿勢は見せたものの、相手に傾いた流れを変えることはできなかった。スコアは、0-4。ゲームメーカーとしてチームをけん引した陸自習志野の敦谷は「すべてのポイントで相手より出遅れていた。ボランチとしてチームのエンジンをかけきれなかった。ずっと相手のペースでやられて悔しい」と涙を流した。主将の今岡和夫(3曹・大社高出身)は「準決勝は相手に合わせて形を変えたけど、今日は真っ向勝負に出て、この結果。相手が1枚も2枚も3枚も上だった。いつもどおりにという気持ちだったけど、西が丘でやるのは初めてだったし、多少なりともプレッシャーがあってミスが生まれたのだと思う。ただ、この0-4からどうしていくかは自分たち次第。すぐに次のスタートを切って、この差を縮めていきたい」と巻き返しを誓った。決勝では力尽きたものの、陸自としては8年ぶりの決勝進出で大きなインパクトを残した。

 全国自衛隊サッカー大会は、この数年で前回優勝の空自3補が力をつけているだけでなく、今大会では若い防衛大の学生チームが初参加をするなど、レベルが高まっている。元々、ハードな連戦で底力を試される大会だが、ますますタフになっている印象だ。自衛隊最強の呼び声高い海自厚木マーカスにとっても楽に勝てる大会ではなくなりつつある。だからこそ、今回の優勝は価値がある。海自厚木マーカスの主将、坂倉光雄(2曹・安房高出身)は「過去には12連覇をしたことがあるけど、周りのレベルが上がってきていて、連覇は難しくなってきている。でも、それをやっていくのがマーカスだと思っている」と再び頂点に立ち続ける気概を示した。若手が増えて世代交代が進む海自厚木マーカスは、新時代に突入しようとしている。戦国時代の様相を呈する時代の中で、17度目の優勝から次の黄金時代を作れるか。王者の新たな挑戦が始まる。

(取材・文 平野貴也=フリーライター)

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