[5.17 J1第14節 浦和1-0C大阪 埼スタ]

　桜のエースの見せ場はほとんどなかった。5-4-1と守備的なシステムを採用したセレッソ大阪は守備に回る時間が長く、攻撃に移っても人数をかけられずにすぐさま浦和にボールを回収された。FW柿谷曜一朗はどうにかして状況を打開しようと、何度もドリブル突破を試みたが単発に終わり、シュートもわずか1本に終わった。

　W杯中断前最後の試合での完封負けに柿谷は「Jリーグで思ったような結果が出ていなくて、とにかく勝ちたい気持ちがあった。これだけの人が見に来てくれた中で、負けたのが本当に申し訳ないし、決定的な仕事をするのが僕の仕事なのに残念です」と唇を噛んだ。

　柿谷、MF山口蛍が日本代表に定着し、FWフォルランが加入とシーズン開幕前から頭一つ抜けた注目を集めたC大阪だったが、中断期間を二ケタ順位で迎えた。この現状に柿谷は「前半戦は良いところなしで終わってしまった。順位もそうですが、個人的にもふがいない」と、ここまで1得点と結果を残せていない自身の出来にも悔しさをにじませた。

　しかし「期待されていたのにそれに応えられないのは残念ですが、謝るだけというのは誰も望んでいないと思う。また挽回できる試合があると思うから、そのときのためにしっかりと準備をしていきたいし、振り返っても仕方がないと思ってやるしかありません」と前を向いた。

　今後はブラジルW杯へと気持ちを切り替えていく。この日はサイドハーフでプレーしたが、日本代表では1トップでの起用が濃厚だ。本人も「代表では一番前のポジションは一つしかないので、良い意味で全員が良い準備をして、良いサッカーをできるようにしたい。最高の準備をしていきます」と、自身初となるW杯へ意気込みを示した。

(取材・文　折戸岳彦)

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