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日本vsキプロス 試合後のザッケローニ監督会見要旨

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[5.27 キリンチャレンジ杯 日本1-0キプロス 埼玉]

 日本代表は27日、埼玉スタジアムでキプロス代表と対戦し、1-0で勝った。前半43分、DF内田篤人のザックジャパン初ゴールで先制すると、追加点は奪えなかったが、そのまま完封勝利をおさめた。5万8564人の大観衆が詰めかけたW杯壮行試合を勝利で飾り、チームは29日、事前キャンプ地のアメリカ・フロリダに向けて出発する。

以下、試合後のザッケローニ監督会見要旨

アルベルト・ザッケローニ監督
―試合の総評とW杯に向けてどういった課題が見つかったか?
「このゲームに関しては、当然、指宿の合宿でフィジカルのトレーニングをやってきたので、キレや輝きを求めることはできなかった。そういった中でもその時々のテーマを掲げていて、今日は体が重い状態だったから、頭のキレがどういうふうに機能するのかを見たかった。その点に関しては満足しているし、対戦相手はうちが持ったときは引いてきたし、ボールを持てばロングボールで裏のスペースを狙って我々を間延びさせようとしてきた。そういう相手に対して、頭のキレがなかったら今日のようには対応できなかったと思う。チームはトライしてくれたし、何本かシュートも打ったし、チャンスもつくってくれた。前半開始直後にいくつかロングボールから裏を取られるシチュエーションがあったが、それ以降は柔軟に対応できたのかなと思う。

 今晩の試合では、スピードを求めても仕方がないことは頭の中にあったし、判断力を重点的に見たかった。もう一つは、W杯に行く前の国内での最後の試合ということで、4年間、ここで数多くの素晴らしいゲームがあり、サポーターの方たちと喜びを分かち合ってきた思いがあった。ここでいい試合をして、『行ってきます』というメッセージを送りたかった。このスタジアムでは2試合しか親善試合を行わなかったが、一つが初戦となったアルゼンチン戦で、もう一つが最後となる今回のキプロス戦だった。それ以外はW杯予選などの大切な試合を選んできて、この場所で今のポジションを勝ち取ってきた。ほぼすべての試合に勝ち、唯一、オーストラリア戦だけが引き分けたが、あの試合も自分の中では勝ちに等しいと思っている。そういった意味で満足しているし、この4年間、みなさんも私のことを見てきて、よく知っていると思うが、私は結果を約束するのではなく、結果を出すための努力を約束するタイプの人間だ」

―W杯での具体的な目標はあるのか?
「まずチーム力、チームのレベルを高めないといけない。それをしたうえで具体的な目標を決めていこうと思っている。そのサイズに合った目標をチームに与えていこうと思っているが、個人的にはこのチームのことを信頼しているし、フィジカルよりスピードが売りのチームに仕上がっている。具体的に準備を進めながら目標は設定していきたいし、相手もあることだから、相手の力量も見ながらそういうことも考えないといけないが、できる限り前に行こうという気持ちでいる。今日、ケガで離れていた3選手が復帰したが、内田、吉田、長谷部のパフォーマンスには満足している。今日の試合では時間制限を設けたが、あと2試合あるので、少しずつその時間を延ばしていけると思う。当然、日々の練習、状況を見ながら、6月14日の初戦に100%で臨めるような準備をしていきたい」

―残りの時間で何を積み上げてW杯に臨みたいか?
「スピード感は今日のところでは出なかったが、それは想定内で、相対的なフィジカルコンディションに比例するのがスピード感なので、それは今後、上げていくことになる。隠すことなく話すと、このチームのつくり方としては個のクオリティー、スピードに乗った技術を前面に出したサッカーをしていきたいと思っているので、そういったところを出していきたい。フィジカルで押し込むサッカーは目指していないし、できないので、自分たちの特長を生かしていきたい」

―後半、長谷部と吉田を入れたときに遠藤と今野を下げたのはあらかじめ決めていたのか、それとも今日の試合で山口と森重がよかったからか?
「ゲーム前から交代のことは頭にあった。遠藤はリーグ戦でもずっとやってきているので、試合勘というところであえてここでさらにやらせる必要はないのかなと考えたのと、長谷部に45分間やらせたい気持ちがあった。それに加えて、山口にここでさらなるインターナショナルな経験、チームと合わせる時間を与えようということを考えていた。最後の長友の交代以外はゲーム前からプログラミングしていた」

―本田の動きが重かったが、フル出場させたのは?
「本田と香川はチームでの出場機会が限られていたので、今日はフルで出したいと思っていた。パフォーマンスがどうだったかについては、長い目で見ていかないといけない。今日がゴールではないので、今後のことを考えて90分間使った」

―試合後のミーティングが長かったようだが、選手に何を話したか? 前半30分ごろに内田と話していたが、その後、ゴールが生まれたが?
「内田に関して、そのタイミングでどんな話をしたのかは覚えていないが、確実に言えるのは、そのアドバイスのおかげでゴールが決まったわけではないということ(笑)。試合後はゲームに出ていないメンバーがピッチに残って練習をしていたので、彼らを単純に待っていて、彼らが終わってから、ここで一度締めて、また成田で会おうという挨拶をしただけ。試合に出ていないメンバーも非常に疲れてロッカールームに帰ってきた」

―今後、大久保が担う役割はどうなるとイメージしているか?
「大久保だけでなく、前線の選手はみんなスピードを持っている。岡崎、柿谷、清武、香川、大迫、大久保。技術力とスピード、そういうものにのっとってチームをつくろうと思っていて、そういうメンバーを選んでいるので、前線の選手はみんなそういう特徴を持っているが、ゲームの流れや展開に応じて得意な場面とそうでない場面がそれぞれ出てくる。それを見極めながら前線の選手を使っていきたい」

―今後の親善試合で他のGKを使う可能性はあるのか?
「これまでは1試合目に集中していたが、2試合目、3試合目を考えたとき、十分にその可能性はあると思う。6月14日の初戦に向けてつくっていかないといけないので、そういう意味では可能性はある。今日はDFライン、MF、前線のメンバーもいじったので、残りの2試合に関してGKだけが例外とはならない。当然、一監督としては今日起こった現象のように、代わって入った選手がポジティブなパフォーマンスを見せてくれることが一番大切なことなので、今後もそういったことを期待している」

―大久保と本田のポジションチェンジがもっとあってもいいのでは?
「本田に関しては、彼の家と呼んでいるが、トップ下のところでより多くの時間プレーしないといけないと思っている。大久保や柿谷、大迫といった1トップに入る選手は時に裏に抜けたり、時にスペースをつくるために引いたり、そういう動きをしないといけない」


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