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[総体]“下手”と自認も学校生活から一生懸命!海星が全国へあと1勝:三重

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[5.31 全国高校総体三重県予選準決勝 海星高 3-0 宇治山田商高 鈴鹿スポーツガーデン]

 平成26年度全国高校総体「煌(きら)めく青春 南関東総体2014」サッカー競技(山梨)三重県予選は30日、準決勝を行い、海星高が3-0で宇治山田商高に勝利。6月1日に行われる決勝へと駒を進めた。海星は決勝で四日市中央工高と対戦する。

 前日30日に行われたベスト8・三重高との一戦は青柳隆監督が「全然ダメでした」と振り返ったように、緊張から思ったように身体が動かず、1-0の辛勝。決勝進出がかかったこの日は“自分たちのらしさ”が出せるように意識した。難しい時間帯もあったが、海星は狙い通りに“海星らしさ”を発揮し、70分間、戦い続けた。

 立ち上がりこそ、「相手は両サイドが速く、FWが良く動くので、そこを潰しに行こうとしていた」という指揮官の警戒通り、右MF四ツ谷翔平のドリブル突破とFW西口亮城の飛び出しから宇治山田商にサイドを攻め込まれた海星だったが、DF山本裕太主将を中心としたDF陣が冷静に対応し、シュートを打たせず。守備でリズムを生み出すと、14分に相手エリア中央右寄りでMF清水七海からMF朴諒樹と繋ぎ、右サイドの空いたスペースへとスルーパス。走り込んだDF辻森拓がゴール前に低いクロスを入れると、FW水谷亮太が合わせて先制した。

 海星はさらに後半が始まると、すぐにキックオフのボールを前線へと運び、右に開いた水谷のヘディングでのパスをFW小林賢正が決めて、リードを広げた。その後は豊富な運動量を活かして前への圧力を高めた宇治山田商に押し込まれる場面が増加したが、守備陣が集中を切らさず、失点ゼロで切り抜ける。それでも「クリアボールが多くなり、それを拾われ、攻撃を受ける場面が増えた」(山本)と嫌な流れが続いたが、状況が変わったのは25分だ。「今日もスタメンをどうするか悩んだように、12、13人使える選手がいるので、2、3人代えてもあまり落ちないかなと思っていた。フレッシュな奴を入れればマシになるかなと考えていた」という青柳監督の交代策がズバリ的中。中央でパスを引き出した村上が左サイドへと展開。スペースへと走り込んだMF近藤巨岳が中へ低いボールを折り返すと、途中出場のFW板崎司がダイビングヘッドで決めた。「本当はスタメンでも良い選手だが、後半に相手が疲れた時にヘディングが強い選手が出てきたら、嫌かなと思って、置いておいた」(青柳監督)という期待に、板崎が見事に応え、3-0で試合を終えた。

 今年のチームは「とにかく“下手”。一人一人を見れば良い選手がいないけど、皆、学校生活を含め気持ちよく一生懸命頑張ってくれる。この子らで全国を狙いに行きたいなと思っていた」(青柳監督)。その世代が最終学年を迎えた。目標とする全国出場まであと1勝の所まで来たが、決勝の相手は名門・四中工。今大会は2次リーグでも対戦しており、その際は0-2で敗れている。それだけに「四中工へのリベンジ」をテーマにここまで戦ってきた。山本は「明日は3連戦の最終日。後半になれば足も動かなくなるので、気持ちの勝負になると思う。前は負けてしまったけど、良いサッカーは出来ていたと思うので、次は絶対に負けたくない。僕たちが見ているのは全国の舞台」と意気込む。“下手”と自認するチームが全国進出を懸けた決勝で、全国的なビッグネームに勝利出来るか、注目だ。

[写真]ダメ押しとなる3点目を決めたFW板崎を海星イレブンが祝福

(取材・文 森田将義)

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