beacon

[総体]攻守で戦い抜いた守山、善戦及ばず。野洲が苦しみながらも滋賀決勝へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

[6.5 全国高校総体滋賀県予選準決勝 守山高 0-1(延長)野洲高]

 平成26年度全国高校総体「煌(きら)めく青春 南関東総体2014」サッカー競技(山梨)滋賀県予選は5日、準決勝を行い、{2連覇を狙う{c|野洲高}}と守山高との一戦は延長戦の末、野洲が1-0で勝利。野洲は7日の決勝で草津東高と対戦する。

「密集ーっ!!」

 ベンチから響く中村彰吾監督の声に呼応するように、守山イレブンは次々とボール保持者に向かってプレッシャーを掛けていく。一人目で奪えなくても二人目、三人目が追随していくアグレッシブな守備は見応え充分。対する野洲は連動した攻撃が封じこまれた中、個人技を生かして相手のプレスを外そうと試みる。互いの持ち味がぶつかり合った熱戦に、会場のボルテージは次第に高まっていった。

 前半は野洲がMF平石健祐とMF林雄飛のチャンスメイクやFW村上魁のドリブル、さらに相手の背後をシンプルに突く攻撃で相手ゴールに迫った。対する守山は時間の経過と共にプレスがハマるようになり、後半になるとボールを奪ってからのショートカウンターにも迫力が伴っていく。ボールが納まって起点となるFW太田裕作、体格と運動量を生かしてゴールへ向かうFW小嶋健太郎の2年生2トップが前線で奮闘。そこに主将のMF田邊敦士ら中盤の選手も絡んでいくなど「狭いスペースで複数が関わっていくのが狙い。うちが球際で負けたら何もできない」(中村監督)というチームスタイルを表現すべく、全員が攻守両面で走り続けた。アグレッシブに戦った反動もあって後半途中からは徐々に出足が鈍っていくが、それでも懸命に足を動かし続け、最終ラインでは時に身体を投げ出して流れの中からは失点を許さなかった。

 前半から一転、苦しい試合展開となった野洲は運動量が上がらず、セカンドボールも拾えない中で「リズムや距離感があやふやになり、受け手に回ってしまった」(平石)。山本佳司監督も「前線を起点にしながら距離感を狭めたかった」と振り返っている。平石が前を向いてボールを持っても、パスの意図と前線の動き出しが噛み合わない場面も散見された。

 相手のカウンターを食らいながらも、素早い切り替えにより傷口を最小限に食い止めた守備意識。そして延長後半6分に村上が決めた直接FKにより決勝にコマを進めたが、「納得いってない」という平石の言葉は、野洲の選手たちの気持ちを代弁しているようだった。

 その悔しさをぶつける試合はすぐにやってくる。中一日で迎える決勝戦。そこで野洲が持つ本来の力を示すことが、全国への道を切り開くことにつながる。

(取材・文 雨堤俊祐)

▼関連リンク
【特設ページ】高校総体2014

TOP