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香川「10番は重みよりうれしさが強い」

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 夢舞台のピッチを踏みしめるときが刻一刻と近づいている。ブラジルのベースキャンプ地イトゥでの最初の練習を終えたFW香川真司(マンチェスター・U)は、「少しずつ、いよいよだと感じているけど、シーズンと同じような調整方法を心掛けている」と平常心で開幕を迎えたいという意向を示した。

「W杯であろうと、変な欲を出さないようにすることが大事」。気負わずにプレーすることが良いパフォーマンスにつながると感じているのだ。

 エース背番号である「10番」に対する思いにも気負いは見えない。

「10番はまったく重いものではないと思っている。それが良いのかどうかは分からないけど、背番号10だろうが、自分に求められているもの、みんなが期待してくれているものは感じるから」

 余計なプレッシャーはすでにはねのけている。だから、注目されることも好材料にしかならないというのだ。

「僕は期待されていることをピッチで出すだけだと思っている。その中で、10番ということで注目されることはすごくうれしい。もちろん同時に責任を感じるところではあるけど、それを楽しみにプレーしたい」

 この4年間で、香川は2度の移籍を経験した。C大阪からブンデスリーガのドルトムント、そしてイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・U。ただ、夢のようなシンデレラストーリーの第一歩は、生まれ故郷の神戸を離れて仙台のFCみやぎバルセロナに向かった中1時代の決心だろう。以後、何度も環境が変わってきたが、それはすべて最高のサッカー選手になるため。今は4年前にかなわなかった大舞台が目の前に広がっている。

「国民が一つになって戦える最高の場所がW杯。そこで自分がプレーヤーとして戦えることを幸せに思っている」

 待ちわびていたときの到来に、モチベーションは弥が上にも高ぶっている。背番号10はパワーを爆発させる日に向かって静かに気持ちをコントロールしている。

(取材・文 矢内由美子)

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