beacon

[MOM1075]矢板中央FW関岡亮太(3年)_雪辱Vもたらした空中戦での奮闘

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.24 全国高校総体栃木県決勝 佐野日大高 1-2 矢板中央高 栃木]

「勝負は自分が競り勝てるか、どうかで決まると思っていた」。矢板中央高のFW関岡亮太主将(3年)は過去2連敗していた佐野日大高戦での敗戦について自分の責任だと感じていた。相手の守備の柱であるCB國西達也主将ら佐野日大守備陣の勢いの前に空中戦で競り勝つことができず、チームは2試合ともに無得点。だが「(空中戦で)先に飛んで、もし負けても遠くに飛ばさせないこと」と決意していたFWはボールの落下点を見極め、素早いポジショニングと力強い跳躍で対抗する。そして関岡が競ったシーンから矢板中央の2得点が生まれた。

 まずは前半21分、GK櫻井武史が自陣から深く蹴りこんだボールをPAで関岡が競り合う。触ることができなかった関岡だったが、諦めずに競ったことで相手のクリアが小さくなり、ボールはFW江口大希の下へ。これをコントロールした江口が右足を振りぬくと、相手守備陣の頭上を越えた一撃がゴールへ突き刺さった。そして2点目は関岡が頭でアシストする。後半10分、矢板中央は左サイド後方からのFKでDF秋山友宏がPAへ放り込む。ファーサイドで跳躍した関岡は「競るときにファーサイド(左サイド)が空いているのが見えていた」と相手MFに競り勝ち、頭で逆サイドでフリーのDF川上優樹へラストパス。これを川上がゴールへ押し込んで貴重な2点目が決まった。

 佐野日大サイドも多くのシーンで関岡に競り負けていたことを指摘していたが、矢板中央の高橋健二監督も「成長してきた」と目を細めていた。空中戦での奮闘だけでなく、前線で体を張り、走り回って相手にプレッシングをかけ続けるなど気迫溢れるプレーの連続。終盤はほとんど体力が残っていなかったが、それでもチームのために戦い続けた。そして雪辱を果たしたことを関岡本人が誰より喜んでいたが、今大会得点数が少なかったことを反省する。チームのエースストライカーだが、今大会は準々決勝で3得点を挙げたのみ。準決勝、決勝は無得点だった。それだけに「自分が点取って助けないといけない。自分が決められるようにしないといけない。FWとしてみんなを少しでも楽にしたい」と誓った。

 W杯ブラジル大会の日本対コートジボワール戦の、コートジボワールのゴールシーンを見て「クロスやセットプレーから点が入ると改めて思った。意識している」というFWが、全国でも相手の強力DF相手に最前線で戦い抜き、今度はチームに貴重なゴールももたらす。

(取材・文 吉田太郎)

▼関連リンク
【特設ページ】高校総体2014

TOP