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ゲッツェが延長V弾!!ドイツがアルゼンチン下し24年ぶり4度目のW杯制覇

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[7.13 ブラジルW杯決勝 ドイツ1-0(延長)アルゼンチン リオデジャネイロ]

 ブラジルW杯は13日、リオデジャネイロのマラカナンスタジアムで決勝を行い、6大会ぶり4度目の優勝を狙うドイツ代表と7大会ぶり3度目の頂点を目指すアルゼンチン代表が対戦した。試合は0-0のまま90分間で決着が付かず、延長戦に突入。延長後半8分、ドイツは途中出場のMFマリオ・ゲッツェが劇的な決勝点を奪った。延長戦の末、アルゼンチンを1-0で振り切ったドイツは、1990年大会以来、24年ぶり4度目のW杯制覇を成し遂げた。

 ドイツは当初、準決勝のブラジル戦と同じスターティングメンバーを発表したが、MFサミ・ケディラが試合前のウォーミングアップでふくらはぎを痛め、欠場。代わって今大会ここまで2試合の途中出場で12分間しかプレーしていないMFクリストフ・クラマーが急きょ初先発となった。アルゼンチンは準決勝のオランダ戦と同じ先発メンバーだった。
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 試合は序盤からボールポゼッションではドイツが上回るものの、決勝トーナメントに入って3試合連続無失点中のアルゼンチン守備陣をなかなか崩せない。逆にアルゼンチンは鋭いカウンターでドイツゴールを脅かした。

 最初の決定機はアルゼンチン。前半21分、中盤のセカンドボールをMFトニ・クロースが頭で戻したバックパスが味方に合わず、オフサイドポジションにいたFWゴンサロ・イグアインが反応。当然、オフサイドの反則はなかったが、右足ダイレクトで狙ったシュートはミートせず、ゴール左に外れた。アルゼンチンは同30分にもチャンスをつくり、FWリオネル・メッシが右サイドに大きく展開。FWエゼキエル・ラベッシのアーリークロスにイグアインが左足で合わせてゴールネットを揺らしたが、これはオフサイドだった。

 なかなか決定機をつくれずにいたドイツに再びアクシデントが襲う。前半17分にDFエセキエル・ガライとの交錯プレーで頭部を打ったクラマーが同32分、プレー続行不可能となり、スタッフに肩を借りてピッチをあとにした。代わって入ったのはMFアンドレ・シュールレ。左サイドで先発していたMFメスト・エジルがクラマーのいた右インサイドハーフに下がり、シュールレが左ウイングの位置に入った。

 しかし、この交代後、徐々にドイツが流れを引き寄せていく。前半37分、相手CKのカウンターからMFトーマス・ミュラーが左サイドを抜け出し、マイナスのクロス。これをシュールレが右足で叩いたが、GKセルヒオ・ロメロが好セーブ。同43分、エジルのボールキープからMFトニ・クロースが放った右足ミドルもロメロの正面を突いた。前半アディショナルタイムにはクロースの右CKに合わせたDFベネディクト・ヘーベデスのヘディングシュートが右ポストを直撃。あと一歩のところでゴールを奪えず、前半は0-0で折り返した。

 アルゼンチンは後半開始からラベッシに代えてFWセルヒオ・アグエロを投入。イグアインとアグエロの2トップにシステムも変更した。ターゲットが2枚に増えたことでドイツの4バックは対応が後手に回る。後半2分、MFルーカス・ビリアのスルーパスからメッシが最終ラインの背後を取り、左足でシュート。決定的な場面だったが、わずかにゴール右へ外れた。

 ドイツも後半15分、右サイドをオーバーラップしたDFフィリップ・ラームのクロスにFWミロスラフ・クローゼが打点の高いヘディングで合わせるが、GKがキャッチ。1点をめぐる攻防は、徐々に膠着状態へと入っていった。アルゼンチンは後半33分、2枚目の交代カードを切り、イグアインに代えてFWロドリゴ・パラシオを投入。同41分には最後の交代枠でMFエンソ・ペレスを下げ、MFフェルナンド・ガゴをピッチに送った。

 ドイツは後半43分、クローゼに代えてMFマリオ・ゲッツェを投入した。準決勝ブラジル戦でW杯通算16点目となるゴールを決め、元ブラジル代表FWロナウドを抜いて歴代最多得点記録を更新した36歳のストライカーをドイツサポーターはスタンディングオベーションで称えた。結局、90分間を戦ってゴールは生まれず、W杯決勝は3大会連続で延長戦にもつれ込んだ。

 延長戦に入っても、両チームともにあと一歩のところでゴールを奪えない。ドイツは延長前半1分、ゲッツェのパスからシュールレが右足を振り抜くもGKの正面。アルゼンチンは同7分、DFマルコス・ロホのロングフィードから最終ラインの背後を突いたパラシオが胸トラップでゴール前に運び、右足でボールを浮かしてGKマヌエル・ノイアーをかわしたが、ボールは大きくなってそのままゴールラインを越えてしまった。

 死闘に終止符を打ったのは、ドイツの19番だった。延長後半8分、シュールレが左サイドを強引に突破。ゴール前に上げたクロスボールを胸トラップしたゲッツェは倒れ込みながら左足を振り、ゴール右隅へ流し込んだ。これが決勝点。延長戦の末、アルゼンチンを1-0で下したドイツが、7万4738人の大観衆で埋まった聖地・マラカナンで頂点に立った。

(取材・文 西山紘平)

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