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[クラブユース選手権U-18]“街クラブ”の雄、三菱養和SCユースが3発快勝で決勝へ

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[8.1 日本クラブユース選手権準決勝 札幌U-18 0-3 三菱養和SCユース 三ツ沢陸]

 夏のクラブユース日本一を決めるadidas CUP 2014 第38回日本クラブユース選手権(U-18)大会は1日に三ツ沢公園陸上競技場で準決勝2試合を行い、第1試合は三菱養和SCユースが3-0でコンサドーレ札幌U-18を下した。

 ボクシングに例えるなら初回KOだ。札幌が連打を仕掛けたところで、三菱養和のカウンターがさく裂した。立ち上がりは、札幌の猛攻だった。7分、右DF鈴木翔が右から中央へはたいたボールを右MF高嶺朋樹がシュート。さらに9分、杉山雄太の浮き球のパスから相手GKがこぼしたボールをFW平川元樹が狙ったが、相手選手にブロックされてしまった。
 
 さらに10分、札幌は左からのクロスを左DF按田頼がヘディング。このシュートがクロスバーをたたいたところから一気に試合の流れが変わった。三菱養和はこぼれ球を前線へフィード。すると、快足FW相馬勇紀が一気に敵陣を走破した。あっという間に相手ゴールへ迫ると、左足でシュートをたたき込み、先制点を奪った。

「最初に相手のチャンスになってヤバイと思ったけど、信じるしかなかった。カウンターで1発決めたいと思っていたが、今季初めて、カウンターで得点ができた。チームを乗せることができたと思う」という相馬の先制弾で三菱養和の攻撃は加速した。3分後、左サイドでボールを受けたFWディサロ燦シルヴァーノが強烈なシュートを放つと、ファーポストの跳ね返りを伊東駿がプッシュして追加点。さらに22分、瀬古からパスを受けた池田樹雷人が左足でシュートを放つと、コースに入っていた下田悠哉がブロックするようにトラップ。相手選手ともつれたが粘り切り、3点目をたたき込んだ。三菱養和は34分にもディサロのラストパスから下田がシュートを放つチャンスがあったが、これはGKに阻まれた。

 札幌は、なかなか流れをつかめなかった。後半14分に藤井慎之輔を左DFに投入。ボランチの倉持卓史が最終ラインまで下りて両SBが高い位置に出るシステムを明確にした。しかし、3点のリードでハッキリと守りを固めてきた三菱養和に速攻で脅かされる展開が続いた。札幌は平川に代えて粟飯原尚平を投入。粟飯原を左DFに入れ、藤井をFWに移した。後半28分、右サイドから攻め込み、左に流して久保田成悟がシュート。後半32分には粟飯原の左からのクロスに藤井が飛び込むなど際どい場面を作り出した。しかし、選手交代を行いながら走力を落とさずに守る三菱養和を崩すことはできず、試合は3-0で終了のホイッスルを迎えた。三菱養和の山本信夫監督は「最初のピンチで失点していれば流れは分からなかったが、うまく粘れたし、運もあった。連戦の疲れもあり、少し大味だった。振り返ってみれば、元気なうちに点が取れて良かった」と安堵の表情を見せた。

 決勝戦は、あす2日にニッパツ三ツ沢球技場で行われる。三菱養和が勝てば、31年ぶり3度目の優勝となる。三菱養和は、大会の前身である全日本クラブユースサッカー選手権大会で1983年に優勝。さらにその前身の全国クラブユースサッカー選手権大会で1980年に読売ユースA(現在の東京Vユース)と両チーム優勝に輝いている。大会が現在の名称になってからは、街クラブの優勝はない。三菱養和が新たな歴史を作りに行く。

[写真]前半22分、三菱養和SCユースは下田が3点目のゴール

(取材・文 平野貴也)
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