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[総体]「誰かに頼るのではなく、自分が」東福岡の注目エース、中島が決勝弾!

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[8.4 全国高校総体3回戦 山梨学院高 0-1 東福岡高 韮崎中央公園芝生広場]

 大一番で輝きを放ったエース。東福岡高(福岡)のU-18日本代表MF中島賢星主将(3年)がエースの自覚と勝利への強い意思をピッチで表現し、決勝ゴールを決めた。東福岡は初戦からの2試合を6-0、8-1で完勝。ただこの試合は堅守・山梨学院高の好守の前に決定機を活かすことができず、前半を0-0で折り返していた。「今までは速さで勝っていたんですけど、そこで点が入らなくなった時にどうなるんだろうというところが一番自分が怖いと思っていたところだった。実際にそうなったときに誰かが決めてくれるんじゃなくて、自分が決めるしかないと思っていた」。その言葉通りに鮮烈なゴールを決める。

 後半3分、東福岡は相手の中途半端なクリアから波状攻撃。左SB末永巧(3年)がグラウンダーで中央へ入れるとFW木藤舜介(3年)がタイミングよく背後へ落とす。これを背番号10が小さな振りからシザースボレー気味に右足ダイレクトシュート。強烈な一撃がゴールネットを揺らして先制点となった。注目MFが決めた「スーパーゴール」。ただ本人は「点を決めて勝つイメージは試合前からつくっていた。(自分が決めるために)ゴール前に顔を出す回数を増やしたら、木藤がいい落としくれたんだけど、あとは決めるだけでした。つないでくれたみんながいてのゴール」とチームメートに感謝していた。

 ハイレベルなゴールを決めた中島は絶妙なボールコントロールと非常に判断の速いプレーで敵地・山梨の観衆を沸かせていた。ボールを持ちすぎることなく、あっという間に離して攻撃をテンポアップ。そして前方にスペースがあれば自ら仕掛けてミドルシュートを打ち込んだ。多くボールに関わっていた分、山梨学院のDFに狙われ、ボールを失った回数も決して少なくはなかった。また課題であるハードワークについてはより多くのものを求められている。ただ中島は大きな注目に応えるゴールとプレーでチームの勝利に貢献した。

 後半19分にゴール前のポジション争いで警告を受けたため、鹿児島実高(鹿児島実)との準々決勝は累積警告で出場停止。「次は累積なので、出られない。そこは割り切って、自分にまたチャンスをもらえるようにしっかりとサポートしたいです」。ピッチに立つことはできないが、仲間が必ず果たしてくれるであろう勝利を信じて、今、自分ができることをやる。

(取材・文 吉田太郎)
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