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日本vsオーストラリア 試合後の選手コメント

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[11.18 キリンチャレンジ杯 日本2-1オーストラリア ヤンマー]

 日本代表は18日、キリンチャレンジ杯でオーストラリア代表と対戦し、2-1で勝った。後半開始から出場したMF今野泰幸が後半16分に先制点。同23分にはFW岡崎慎司が待望のアギーレジャパン初ゴールとなる追加点を決めた。後半アディショナルタイムに1点を返されたが、アジア杯前哨戦となった年内最終戦を白星で飾った。

以下、試合後の選手コメント

●FW岡崎慎司(マインツ)
「テクニックというか、気持ちで押し込んだ僕らしいゴール。前半はチャンスで決められなかったので絶対に決めてやろうと思っていた」
―ホンジュラス戦と比べるとラストパスが何度も来ていた。
「チームがうまくいっているときは、機能してボールが回っているので、1トップは受けても最後にはあまり来ない。1トップはチームがあまりうまくいっていないときこそ、チャンスが多いと思う。その一発を決めてしまえばチームが楽になる」
―ロングパスも多かった。
「監督も試合前に言っていたけど、蹴ることそのものが悪いことではない。狙いがあれば蹴ってもいい。うまくいかなければ100回中100回蹴ってもいいと言っていた。勝ちに徹することがいい。近くでポンポンつなげなければという意識は少しずつ減っていくのかなと」
―新体制初ゴール。
「FWは、いいときはいいと言われるけど、点がなかったらなかなか難しい。強い気持ちがないとできないポジション」
―システム変更で攻撃が活性化された?
「4-2-3-1になったのがありがたかった。それもスムーズにシステム変更できたのが良かった。もともとやっていたのが一番大きかったけど、これで2つのオプションがあるし、今日はシステムを2つできたことがすごく良かった」

●FW本田圭佑(ミラン)
「監督が求めていた勝利という結果を出せて、監督が言ったことを実行できたという意味ではよかったと思う」
―前半途中でシステムを変えたが?
「オーストラリアがうまくやっていたという印象だった。アグレッシブで、スピーディーで、簡単なミスも少なかった。そのせめぎ合いの中で最初は我慢かなと思っていたけど、前半、向こうがうまくやっているときに自力で押し込めるようなことができなかったことは課題」

●MF香川真司(ドルトムント)
「(オーストラリアの)4-3-3に対して守備のところで後手を踏むというか、プレスの掛け方がうまくいかなかった。そこからシステムを変えて、プレスもハマるようになったし、ボールをつなぐ時間も出てきた。オーストラリアは思った以上にボールをつないできて、今までとまったく違ったチームだった」
―4-2-3-1になって攻撃面は?
「前後半を通してボールを回す時間があまりなかった。相手もコンパクトにプレスをかけてきて、スペースがなかった。2、3本、裏でチャンスはあったけど、なかなか自由にボールを回せなかった」
―トップ下にポジションが変わったが?
「守備のところで相手に自由を与えないようにやっていこうと思った。攻撃では起点をつくろうと思っていた。個人的にはチャンスがあったけど、決め切れなかった。前線の中でどこでボールが欲しいか。コンビネーションの部分でもっともっと連係を高める必要がある。集まれる時間が少ない代表の難しさでもあるけど、質をもっと上げていかないといけない」
―オーストラリアとはアジア杯でも対戦する可能性があるが?
「今日やってビックリした。今まで対戦してきたオーストラリアとはまったく変わっていた。アジア杯でも脅威になると思う」

●MF今野泰幸(G大阪)
―後半開始からの出場だったが?
「前半、押され気味の展開で、そこから盛り返すことができて、チャンスもつくって勝つことができた。攻撃が縦にすごい早いと感じた。付いていけないことが何回かあった。早く攻めるのはサッカーをやっているうえで鉄則。精度が高くなれば武器になると思う。そこは自分も意識してやりたい」
―3年ぶりのゴールだったが?
「ゴールはうれしいし、チームに貢献できた感じにもなるから」
―ファーサイドでフリーになったが?
「最初からフリーだった。だれも(自分のマークに)付いてなかったし、みんなニアに突っ込んでいったので」
―試合後、監督からは何か言われた?
「『ゴールも良かったけど、ケーヒルへの削りも良かった』と言われた」
―いいアピールになった?
「今日もゴールがなかったら普通の選手で終わっていたかもしれない。代表にい続けるのは本当に難しい。今日、ゴールを決めたからアジア杯に行けるかどうかも分からないし、紙一重だと思う」

●MF長谷部誠(フランクフルト)
「向こうは(日本の)前の試合をかなり研究してきた。自分がDFラインに下がったところにマンツーマンで来て、つなげなかった。ロングボールが増えて、ロングボールになると向こうは強いし、向こうが有利になる。いろんなバリエーションを持ってやることが大事。前からハメられると、なかなかうまくつなげないし、相手もいいプレッシャーをかけてきた。アジアでやる場合、日本を研究してくるチームも多い。そういうときにどうするか。今日の試合は一つのヒントになる。システムを変えてからはあまり相手に自由にやらせなかったし、自分たちのやることもハッキリした。新しいシステム(4-3-3)も始めたばかりで、自分たちも手探りというか、完成形ではない。2トップも練習でやっているし、いろんなバリエーションがある」

●DF吉田麻也(サウサンプトン)
―システム変更がうまくいった?
「相手の両サイドの選手が中に絞ってきて、ボランチ、アンカーの両サイドのスペースでボールを受けて、そこで起点をつくられていた。ハセさん(長谷部)になるべく真ん中にいてくれと話をしていたけど、なかなか一人で2つをカバーできなくなってきて、そのときに監督が2ボランチにするという話をしていたので、すごく効果的なシステム変更だったと思うし、そこから後半はリズムをつかめたので良かった」
―プレスに行きにくかった?
「持ち場を離れてプレスに行くとバランスが崩れやすいし、そこでつぶせなかったときにギャップのところにボールを出されると苦しくなるなと思っていた。監督が良い手を打ってくれたので助かりました」
―4-3-3のときは?
「もう少しブロックをつくってもいいのかなと思った。ボールを取りに行っていたから、入ってくるところを網にかけるのでもよかったかなと。ザックのときもそうだけど、3-4-3をやっていたし、武器をたくさん持っているのは効果的だと思うし、今日みたいにうまくいかないときに変えるというのもありだと思う」
―失点場面は?
「残り2分で失点する必要はなかった。一つはクロスを簡単に上げさせないこと、そしてボックスからなるべく外に出ること。それはミーティングでも言われていたこと。そこの対応をしっかりやらないとアジア杯でもやられると思う。チームとしては不要な失点だったし、3点目を取っておけば試合が終わっていた話。その2つはもったいなかった」
―オーストラリアの印象が前と変わった?
「世代交代に伴ってサッカーも大きく変えていこうというのは見えた。ロングボールも全然蹴ってこなかった。中盤にボールを扱える選手が多く、後ろの選手もビルドアップにトライしようとしていた。それは感じた。これから違ったチームになっていこうとしているのは感じたけど、オプションとして最後のケーヒルみたいなところで、そういう武器も持ってくるということで、これからやっかいになってくると思う」
―年内の6試合を終えて。
「今日の試合を見ても分かるように、まだまだ甘さのあるチーム。後ろから締めるところは締められるようになりたいし、本当に勝つチームはああいうイージーなミスをしない。もっともっと本当に強いチームになるためには、こういう甘さはなくしていかないといけない」

●DF酒井高徳(シュツットガルト)
「単純に勝ったことはうれしい。ただ、これだけ自分のサイドからクロスを上げられるシーンができたのにアシストの記録が付かないというのはすごく悔しい」
―守備面は?
「守備は最後のクロスに対して出ようか出まいか、今野さんとちょっと迷ってしまった。中にケーヒルがいるのは分かっていたし、高さもある。最後はボールを蹴り込んできていたので、形を崩してでもだれかが出て、クロスを簡単に上げさせないということをしないといけない。あの一瞬だけ迷ってしまった。(失点)ゼロで行きたかったけど、そこは課題だと思う」
―左右の違いは?
「最初は不慣れで、ボールを持ったときの持ち方や視野が違っていたりするので、そのあたりは少しずつ試合が流れていくにつれて微調整した。前半の途中くらいから普通に、スムーズになった」
―右をやった中では一番良かったのでは?
「調子は良かった。前半はフォーメーションの関係で少しハマりにくくて、ハセさん(長谷部)の横を使われたりして、DFラインに対して相手のFWがドリブルで仕掛けてくるようなシーンをつくられてしまった。4-2-3-1に変えてからは安定したし、後半に入ってからは相手も疲れて、うちが持てる時間が多くなった。自分のところにスペースもできたし、(本田)圭佑くんが何度も僕を使ってくれたのに結果を出せなかったのが悔しい」
―内田がホンジュラス戦で良いプレーをしたが、参考にした?
「毎回毎回、代表で一緒にやっている(太田)宏介、マツケン(松原健)、(内田)篤人くんも(長友)佑都くんも、一緒にやってきたサイドバックにはそれぞれ良いところがある。僕はそういうプレーを見て観察して、参考にして自分のプレーに加えるということをずっとやってきた。篤人くんのいいところをホンジュラス戦で見つけて、自分なりに考えて今回はそれを忠実に表現してみたら、圭佑くんともうまくコンビネーションを取れたし、自分の近くにもスペースがあって、選択肢が増えた。参考になったプレーを篤人くんから学べた」

●DF太田宏介(F東京)
「セカンドボールを拾われたり、簡単なボールロストが多かった。なかなかいいタイミングでクロスに行けなかった。最低限、4枚のバランスを見て、前半はなかなかハマらなかったけど、最後のところでは抑えられていた」
―4-2-3-1にシステムを変えてからは?
「整理できたし、今野さんがセカンドボールを拾ってくれて、高い位置で起点になっていた。相手に合わせて臨機応変にやるのもサッカー。それを表現できたことはポジティブだし、修正できたのはよかった」
―監督がベストメンバーと言った11人に入ってプレーしたが?
「勝利で終えられたのはうれしいけど、積極的な守備や攻撃参加ができればよかった」

●GK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)
「アジア杯前の大事なテストマッチで、相手もオーストラリアといういいチームだったし、勝てて、それが一番だと思う。相手もアグレッシブに来た中で結果を残したことは新しいチームにとって自信になった」
―最後の1失点は?
「無失点で終わろうと話もしていたし、そのシーンだけを見れば、油断してやられたと見られるかもしれないけど、2-0で勝っていた中でプレッシャーに行き過ぎていた。新しく入った選手を含めて、意思統一ができていなかった。待って、入ってきてから行くという形でもよかった。そこは課題だし、いい教訓になったと思う」

●DF内田篤人(シャルケ)
―ベンチで見ていてどうだった?
「ホンジュラス戦もそうだけど、途中から出る選手が結果を出した。どのポジションもだれが出るか分からないくらいにポジション争いがあると思うし、それは監督の狙いでもあると思う。練習を見ていてもアピールしようという雰囲気がある。こうやってチームは底力が上がってくる」
―酒井にアドバイスした?
「聞かれた。外から見ていてどうですかって。あまり高い位置に行きすぎなくても、低い位置でもらって本田さんに当てて、そのあとはまた一緒にやればいいんじゃないと。そんなに相手もガツガツ来なかったし、(酒井)高徳もドイツでやっているからビックリするような相手じゃなかったと思う。無理して上がるんじゃなくて、本田さんに付けていけばいいんじゃないかという話をした」
―得点シーンを見て感じることは?
「みんなが得点を取りたがっているから。本田さんもそうだったし、今ちゃん(今野)も途中から出てきてだし。点を取りたいというヤツが取っているから。一人助けてやりたいのがいるけどね。だれとは言わないよ。元気じゃない顔をしているヤツが一人いる」
―今までの4試合はこれだというものが見えなかったが、今回、このメンバーで一発回答した。前のチームからいいものは残していくべきという思いは?
「ザックさんのときのメンバーが戻ってきたら、アギーレさんの色がなくなっちゃうのかという雰囲気があったけど、俺は全然そう思わない。今までやってきたことを一回ぶった切ってしまう意味が分からない。どんどんつなげていけばいいことなんだから。すごい良いことだと思う。つながっているんだから。ぶった切る必要はない」
―つながることで、太く大きくできる?
「うん。でないと、何の4年間だったのかとなっちゃうよね。どっちがいいとかじゃない。若手を使えば、アギーレ色なのか。そうじゃない。つながることはいいんじゃないかな」
―岡田さんからザックさんのときもそうだった?
「それもそうかもしれない。ここからどう監督がやっていくかは知らないけど」
―代表に来てやっぱり良かった?
「シャルケが言いたいことも分かるし、それはお互い分かっていることだから。俺がどうこうじゃない。上で決めてもらいたい話。あとはそれに体が付いていけばいいことだし。他の人より試合は多いかもしれないけど、タフな選手にならなければいけないと思いますけどね。選手としては幸せだと思います。ま、一人だけ助けてあげたい。ライバルチームだから知ったこっちゃないけど(笑)」
―10番ですね。合宿中に話をした?
「特に話はしないけど、表情とかプレーを見ていて。チームで勝っていなかったからね、ドルトムントで。でもしょうがないかな。ケガ明けだし。そんなに落ち込みすぎることなく、ということに気づけばね」
―ネガティブになっている?
「どうかな。本人に聞かないと分からないけど。そういう気持ちの面でも核になってくれないとね」
―なってほしい存在?
「自分自身がどうにかしないと。でも今はW杯があるわけじゃないし、予選があるわけでもないし、いいんじゃないかな。代表としてはね」
―壁を越えないといけない?
「いや、ケガ明けなだけだと思うよ。俺もそうだったし」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子)

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