beacon

日本に足りない“裏への動き”求め、永井に白羽の矢

このエントリーをはてなブックマークに追加

 日本代表監督就任を内諾した2月下旬以降、多くの代表戦をビデオでチェックしてきたバヒド・ハリルホジッチ監督の目に“足りないもの”として映ったのが相手DFの裏を狙う攻撃。若手中心で戦った10年1月のイエメン戦以来の代表復帰となるFW永井謙佑(名古屋)に白羽の矢が立った理由は、そこにあった。

 代表発表前日の18日にナビスコ杯の川崎F対名古屋戦を視察した指揮官に対し、1ゴール1アシストでアピールした永井のスピードは強烈な印象を与えた。

「彼はスピードに関しては素晴らしいものを持っているし、現代フットボールに必要なものを持っている」と、50mを5秒8で走る俊足を称賛。そのうえで、「今のサムライブルーに足りない、背後へのスピードを彼がもたらすことができるのではないか。攻撃のスピードが上がるし、より背後への動きが出る」と、抜擢の理由を説明した。

 ザックジャパン以降、日本代表ではFW岡崎慎司が裏を取る動きでチームを活性化させようと試みているが、中盤の選手の志向として足元へのパスが多かったのが現状。攻撃のバリエーションを増やしたいハリルホジッチ監督には、スピードスター永井が必要なピースだった。

「背後へたくさんのボールを送ることによって得点チャンスが生まれる」と期待を寄せるハリル監督自身、フランスリーグで2度の得点王に輝いた実績を持つFWの選手。新生・日本代表の攻撃の方向性の一つが明らかになった。

(取材・文 矢内由美子)

TOP