beacon

[関東]「立ち返る場所があった」 早稲田大が国士舘大に完封勝利

このエントリーをはてなブックマークに追加

[4.5 第89回関東大学リーグ 早稲田大1-0国士舘大 駒沢]

 第89回関東大学サッカーリーグ戦1部・第1節の2日目が5日に各地で行われた。東京・駒沢オリンピック公園総合運動場・陸上競技場での第2試合では、早稲田大国士舘大に1-0で勝利した。

 国士舘大が慎重な入りをみせると、早稲田大は受身となる形で前半は静かな展開となる。早稲田大は前半35分に左サイドからドリブル突破。オーバーラップしたDF西山航平(4年=浦和ユース)がPA左からシュートを打つも、GK奥津亮哉(3年=日本航空高)に阻まれる。直後には右サイドから攻め込んだMF田中太郎(4年=藤枝東高)が中央へ折り返す。ファーサイドのFW宮本拓弥(4年=流通経済大柏高)がシュートを打つもGKに止められた。0-0で前半を折り返す。

 迎えたハーフタイム。早稲田大は選手たちが意見を出し合うなかで「自分たちで自滅している」と前半の戦いぶりを振り返り、「受動的ではなく、前からボールを奪いに行く能動的なサッカーをしよう」と目を覚ます。DF奥山政幸(4年=名古屋U18)は「自分たちには立ち返る場所があった。共有する意識があったので、それが後半に流れを変えることができた要因」とハーフタイムが“ターニングポイント”だったと振り返った。

 後半に入ると、早稲田大は中盤で果敢にプレッシャーをかける。奥山とDF金澤拓真(4年=横浜FMユース)は豊富な運動量で広範囲をケアした。また、攻めてはFW宮本が果敢にシュートを放つ。後半6分にはドリブルで持ち込み、強烈なシュート。同28分には右クロスへ飛び込み、豪快なヘディングシュートを放ち、同30分にはPA右でパスを受けると右足シュートを打った。しかし、いずれも枠を外れる。

 もどかしい時間帯が続くも、後半34分についに早稲田大が試合を動かした。ショートカウンターで攻め込むと、MF小林大地(3年=流通経済大柏高)のパスを右サイドで受けた田中がグラウンダーで折り返す。PA内で受けた宮本が迷いなく右足を一閃。角度のない位置から豪快にゴールネットへ突き刺した。早稲田大が1-0と先制に成功した。

 なかなか決定機をつくることができない国士舘大。MF平野佑一(2年=國學院久我山高)とMF井上哲大(3年=神戸U-18)が相手のプレッシャーをかわすようにサイドへ展開するも、シュートで終われない。1年生ながら先発したFW大石竜平(1年=清水桜ヶ丘高)だが、フリーでボールを受けられず。後半40分にはDF中村俊貴(4年=流通経済大柏高)のサイドスローインから、ゴール前のFW下田康太(3年=札幌U-18)が右足シュート。これはクロスバー上へ外れていった。試合はそのまま終了。早稲田大が1-0で勝利を飾った。
 
 敗れた国士舘大の細田三二監督は「サッカーを1点を争うもの。それなのに決定機が3回だけでは……」と険しい表情。勝利した早稲田大の古賀聡監督は「開幕戦の結果としては上々」と話し、「(早稲田大は)中盤での守備が生命線。速さを出してボールを奪うというテーマでやっている。相手が整わない状況を作り出すのが一つのポイント。きょうはスリッピーなピッチだったので、そこが功を奏したのかな」と雨中の戦いを振り返った。

(取材・文 片岡涼)

▼関連リンク
第89回関東大学1部L特集

TOP