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[MOM1369]青森山田DF北城俊幸(3年)_堅守の左SBは自分に厳しく、人にも厳しいリーダー

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.25 高円宮杯プレミアリーグEAST第3節 柏U-18 1-2 青森山田高 柏]

 試合終了のホイッスルが鳴り響くと、青森山田高のキャプテンマークを巻いた背番号6は、雄叫びを上げながら右手を空へと突き上げた。この日、大半の時間でボールを保持していたのは柏U-18の方。青森山田は我慢の展開となったが、その中で誰より声を出して戦う姿勢とハードワークする姿勢を示し、苦しい時間帯でより頑張り、局面で相手を上回り続けていたのが左SB北城俊幸主将(3年)だった。

 1対1の守りで強さを発揮するDFは、前半からチームメートとともに“ノルマ”のゼロで切り抜けて行く。そして攻撃陣が奪った2点のリード。対して追う柏U-18は後半22分に1点を返すと、直後に10番FW白川恵士朗を投入して攻撃に力を加えた。だが、青森山田は必死の守りで柏に同点ゴールを許さない。特に左サイドでは「去年もマッチアップしたことがあって白川君にパス出されて、そこから失点して負けたんですけど、苦い思い出があって絶対にそこを起点にさせないと思っていた。入ってきた時、『やらせない』と思っていた」という北城が因縁の相手に決定的なシーンをつくらせなかった。

 相手が攻撃のギアを上げてきてもそれを上回るような闘志で相手を押し返していた。例え、個々の能力で劣っていてもリスペクトし過ぎずに、全員でやるべきことを徹底することを強調する北城。「チームとして全力でやるべきことをやれば勝てるという自信があります」という主将に引っ張られたチームは守り切って歓喜の瞬間を迎えた。

 全員で掴んだ勝ち点3。北城は「相手の方がボール動かすのが上手かったですし、1人1人のクオリティが高くて自分たちも苦しい場面が多かったり、失点するような場面があったんですけど、そこを何とかみんなで声出して集中力切らさずに耐えきることができた。失点はしてしまったんですけど、そこからズルズルいかずにまた立て直して一人ひとりが90分間通してやり切ることができた」と喜んだ。

 青森山田の黒田剛監督が「コーチングがいい。(普段から)コーチがいなくてもできるくらい。自分にも厳しいし、人にも厳しいから。サッカーを良く知っているし、本当にいい選手だと思っている」というほど厚い信頼を置く主将。この日決勝FKを決めたFW神谷優太も「アイツがいなかったらチームが成り立たないくらい重要」とその存在価値の高さを口にする。2年生から名門の主力を担ってきたDFは167cm、65kgと決して大柄ではないが、チームの重要なモチベーターであり、攻守における対人の強さ、クロスの精度など欠かすことのできない左SBでもある。チームを鼓舞するリーダーとして、また実力派のDFとしても力を発揮した北城が勝利に大きく貢献した。

 北城は「自分の中ではキャプテンやっていて、チームが勝つために厳しくチーム作りというものはやっていきたい。他人に厳しくするだけでなくて、自分にも厳しくしなければ周りもついてこないと思うので、自分に厳しく、他人にも厳しくという心がけてやっていることが表現できたのはきょうは良かったと思います」と胸を張った。これで開幕3連勝。いずれもアウェーの次節・市立船橋高戦(5月2日)、第5節・札幌U-18戦(5月6日)へ向けて北城は「敵地でどれだけ勝ち点をもぎ取れるかというのが上位争いに繋がってくると思うので、アウェーの連戦も勝ち点取って青森に帰りたい」。勝利に対して非常に貪欲で、厳しい姿勢を貫くリーダーとともに青森山田は勝利を目指す。

(取材・文 吉田太郎)
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