[5.23 J1第1ステージ第13節 F東京0-1名古屋 味スタ]

　FC東京は23日の名古屋グランパス戦に0-1で敗れ、リーグ戦3連敗。横浜FMに抜かれて5位に転落し、首位で1試合消化の少ない浦和とは勝ち点7差となり、ファーストステージ優勝は、大きく遠のいた。

　積極果敢に左サイドを攻め上がり、クロスを何本も供給していたDF太田宏介だったが、得点につなげることはできなかった。「僕としてはやっぱり、チャンスメイクというか、クロスで終わることは、もっともっと続けていかないといけないと思いますし、もっと精度が良かったら簡単に決められるのかなと。あれだけ上げて、一本も入らないという現実を、しっかり受け止めないといけないのかなと思います」と、悔しがった。

　ゴール前に何本もクロスを通したが、フィニッシュを決められなかった選手の責任だけではないと強調する。「今日に関しては、ここ数試合に比べると、中の枚数も多かったですし、武藤に限らず、(前田)遼一さんであったり、途中から入ってきた林も、僕のクロスにうまく合わせてくれたシーンもありました。ただ、闘莉王さんを中心に、名古屋の跳ね返す力は僕たちの前の力を上回っていたのかもしれない。自分としても、GKとDFの間を狙ったクロスがあって、それがチャンスになったのも事実だと思うので、決まっていればなぁというのが、正直なところです。コンディション的には中2日でしたが、今日も動けていたと思うし、継続してやることが大事かなと思います」。

　もう一つ、修正が必要な場面もある。失点につながった場面、太田のクロスがGK楢崎正剛にキャッチされたところから、名古屋のカウンターを受けた。「あの場面が、正確に思い浮かばないのでわからないところはありますが」と、太田は前置きをしつつ、「ただ、人数はある程度足りていたと思います」と振り返る。実際に、スペースを埋めていたはずのMF梶山陽平が寄せきれなかったことが、ピンチを未然に防げなかった要因となったが、太田は他人のせいにせず、自身を戒める。「あそこで僕が、キャッチされるクロスを上げたっていうのは、精度に問題があったのかなと思います」。

　内容で圧倒しながらの敗戦について「ダメージはかなりデカいですよ」と、唇を噛む。「上位争いをしていく中で、連敗は絶対にしてはいけない。それが3連敗になっているわけで…。難しいなって。ただ、幸いなことにゲームは続きます。うまく気持ちを切り替えて、中3日でまたナビスコ杯があるので、グループリーグ突破に向かっていきたい。こういうところで崩れたら意味がないので、しっかり自分が中心となって、前向きにやれるように引っ張っていきたいし、とにかく次、頑張ります」と、懸命に切り替えた。

(取材・文　河合拓)