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[MOM1408]京都U-18MF荻野広大(3年)_攻撃的なボランチが持ち味発揮の2得点

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.28 高円宮杯プレミアリーグ第7節 京都U-18 5-0 京都橘高 東城陽]

 今季のプレミアリーグ7試合目でチーム最多となる5得点をあげた京都サンガF.C.U-18。その試合で脚光を集めたのは、“意外な”男だった。

 それは、前半だけで2得点を決めたボランチの荻野広大。29分にMF守屋圭幾の中央突破が相手DFに防がれた後のこぼれ球を拾って、左足のミドルシュートで先制点を叩きこむ。さらに42分にはGKのポジションを見て、約40mの距離からロングシュート。風に乗って伸びたボールがゴールに吸い込まれると、観戦者からは大きなどよめきが起こった。

 この日はチームの最多得点者である沼大希が負傷欠場。「得点源がいないので、自分がやってやろうと思っていた」(荻野)とシュートへの意欲を高めて臨んでおり、それを結果につなげた。後半には更なる決定機もあったが、CKにあわせた3点目の場面は相手選手に当たったことで記録上はオウンゴールに。さらに5点目の場面ではCKから強烈なシュートを放つもバーに阻まれるなど、ハットトリック達成はならなかった。

 とはいえ、普段はボランチを主戦場とし、先日トップチームの練習試合に呼ばれた際はCBも務めている選手。公式戦での2得点は「小学生の時は攻撃的なポジションをやっていたけど、後ろ目のポジションになった中学生以降の公式戦では初めて」(荻野)だ。森岡隆三監督は「レジスタというよりアタッカーに近いセンターハーフ。ゲームを作れて、前にも行ける。ミドルシュートや運動量など、いいところが出た」と称賛している。

 自身の役割について「中盤のバランスをとって、少ないタッチでボールを動かしていきたい。自分のところでリズムを作ることで攻撃につなげていきたい」と話す荻野。今年、ボランチからCBへとポジションを移したキャプテンの宅野海里が「僕は守備をがんばる。中盤から前は荻野や沼に任せています。荻野は足元のスキルがしっかりしていて安心感がある。ヘッドも球際も強くなってきた」と話すようにチームメイトからの信頼も集めている。これまで試合によってはミスを引きずることもあったが、この日は「『ミスの後も気にせずにやれ』と言われた(森岡監督の)言葉が頭にあった」と最後まで気持ちを切らすことなくプレーした。

 3連勝を達成したが、「次が大事になる。大分は強いけど、球際で負けないように戦いたい」と気持ちはすでに次節へ向いている。上位進出の為に、中盤を支える荻野の存在はますまず重要になってくるだろう。

(取材・文 雨堤俊祐)
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