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[クラブユース選手権U-18]ユース取材ライター陣が推薦する「クラセン注目の11傑」vol.1

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特集企画「ユース取材ライター陣が推薦する『クラセン注目の11傑』」

 総体、選手権でも人気企画となっているユース取材陣が推薦する大会注目プレーヤー特集。7月22日に開幕する第39回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会の注目選手を「クラセン注目の11傑」と題し、ユース年代を主に取材するライター各氏に紹介してもらいます。第1回は関西を中心に活動する森田将義氏による11名です。

 全国高校総体と並ぶ2種年代の夏の祭典が「日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会」だ。全国の予選を勝ち抜いた32チームが、群馬と神奈川の2ラウンドで優勝を争う。11日間という短期間で行われる戦いの行方と共に注目して欲しいのが選手たちの成長。よく、高体連の監督たちが「苦しい夏を経験して、グッと伸びた」という表現をするが、クラブユースの選手たちにとってもこの現象は多く見られるモノだ。また、トップ昇格の最終ジャッジの判断材料にされることも多く、人生を左右する大会とも言える。今回は出場選手の中から、更なる進化を遂げそうな選手をチョイスすると共に、昨年と同じく選びきれなかった選手を次選という形で選出させてもらった。挙げることが出来なかった選手にも飛躍を遂げる可能性がある選手はいる。若き精鋭たちが夏の祭典で飛躍する様子に注目して欲しい(文・森田将義)。

以下、サッカーライター・森田将義氏による注目11人+22
GK阿部航斗(新潟U-18)
「アグレッシブなセービングと『高校に入って、言わなければならないタイミングで指示を出せるようになった』と自信を見せる的確なコーチングが売りの守護神。足下の精度も確かで、ロングキック一本で試合の状況を変えることができる」
森田氏推薦注目GK:加藤有輝(大宮ユース)、堀口皓平(徳島ユース)

DF柳貴博(F東京U-18)
「今年に入り、初めてU-18日本代表に選出されるなど赤丸急上昇中のDF。181cmの高身長に走力を備えた身体能力の高い選手で、チームでは3バックの一角、代表では右SBとしてプレー。前への推進力を活かした積極的な攻め上がりでサイドからチャンスを作る」
森田氏推薦注目SB:熊川翔(柏U-18)、梅村豪(清水ユース)

DF庄司朋乃也(C大阪U-18)
「トップ昇格が有力視されるCB。入学当初から際立っていた空中戦の強さ、ロングフィードの正確性が増し、この年代屈指の能力を持つ。キャプテンを務める今季は『チームを引っ張っていければ』と課題だったコーチングにも成長が見られ、より完成度の高い選手に成長」
森田氏推薦注目CB:岡野洵(千葉U-18)、冨安健洋(福岡U-18)

DF麻田将吾(京都U-18)
「185cmという高身に高精度の左足キックを備えた希有なCB。今季は『これまでは先輩に引っ張ってもらうばかりだったけど、2年生になって引っ張っていかなきゃという気持ちが強い』と積極的に声出しを行うなど精神面でも逞しさを見せている」
森田氏推薦注目CB:町田浩樹(鹿島ユース)、西前一輝(町田U-18)

DF吹ヶ徳喜(名古屋U18)
「鋭い攻め上がりからの左足クロスが売りSB。攻撃一辺倒だった下級生の頃に比べ、守備での成長も見られるが、『周りから2年生の頃の方が良かったと言われる。今年はまだ自分の力が出せていない』と苦戦中。ポテンシャルの高い選手だけに、クラ選で悩みを晴らす活躍に期待したい」
森田氏推薦注目SB:舩木翔(C大阪U-18)、岩田智輝(大分U-18)

MF池田久哉(長崎U-18)
「初出場を掴んだ長崎の頼れる主将。長崎のレジェンドである佐藤由紀彦に憧れるプレーメーカーで、状況判断と中盤の底から繰り出す展開力に優れる。『小学校の時に上手くなかった僕を拾ってくれたチーム。プロになって、恩返しをしたい』と今年にかける思いは強い」
森田氏推薦注目MF:井上潮音(東京Vユース)、前嶋洋太(横浜FCユース)

MF平戸太貴(鹿島ユース)
「プレミアリーグEAST首位の鹿島に欠かせない絶対的な要。本職はボランチで中盤の底から見せる展開力が売りだが、トップ下もこなし、「得点など結果を出して、チームに貢献したい」とシュートへの積極性もアピール。2種登録されるなどトップチームからの評価も高い」
森田氏推薦注目MF:末木裕也(甲府U-18)、市丸瑞希(G大阪ユース)

MF田中碧(川崎U-18)
「中盤の底で見せる的確なポジショニングからピンチの芽を摘むボランチ。今野章監督は『ボールを奪うサッカーセンスを持っている』と評する。運動量の多さも持ち味で、奪ってからは前方に飛び出し、チャンスに絡むことも可能。派手さはないが、チームにいると頼れる選手だ」
森田氏推薦注目MF:黒川淳史(大宮ユース)、安部柊斗(F東京U-18)

MF高嶺朋樹(札幌U-18)
「北の大地が誇るプレーメーカー。左足の技術が高く、置き所の良いボールキープで相手のプレスをいなし、パスでチャンスを量産する。背番号10を背負った今季は、怪我のため2月に選ばれたU-18 Jリーグ選抜を辞退するなど出遅れたが、復帰後は攻撃の起点として存在感を発揮」
森田氏推薦注目MF:津島孝至(磐田U-18)、吉田凛太郎(岡山U-18)

MF佐々木匠(仙台ユース)
「トップチームのベンチ入りも経験している仙台期待のMF。『オマエからドリブルを獲ったら、何も残らないよって話す』と越後和男監督が評するように突破力が光る選手だが、U-18日本代表ではボランチを務めた際は、的確な散らしを見せるように、組み立て能力も高い」
森田氏推薦注目MF:和田昌士(横浜FMユース)、中坂勇哉(神戸U-18)

FW加藤陸次樹(広島ユース)
「抜けて良し、競って良し、おさめて良しのマルチなストライカー。特に、『(佐藤)寿人さんや浅野(拓磨)くんの動きを参考にしている』と偉大な先輩たちから学んだ抜け出しの質は高校年代では群を抜く。双子の兄である威吹樹とのホットラインにも注目だ」
森田氏推薦注目FW:高橋潤哉(山形ユース)、西晃佑(富山U-18)

[写真]森田氏が注目選手に押すC大阪U-18CB庄司

執筆者紹介:森田将義(もりた・まさよし)
1985年、京都府生まれ。路頭に迷っていたころに放送作家事務所の社長に拾われ、10代の頃から在阪テレビ局で構成作家、リサーチとして活動を始める。その後、2年間のサラリーマン生活を経て、2012年から本格的にサッカーライターへと転向。主にジュニアから大学までの育成年代を取材する。ゲキサカの他、エル・ゴラッソ、サッカーダイジェストなどに寄稿している。

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