[7.26 日本クラブユース選手権(U-18)大会決勝T1回戦 神戸U-18 1-2 甲府U-18 宮城総合]

　ヴァンフォーレ甲府U-18は開始5分に神戸U-18MF中坂勇哉にスーパーミドルを決められ、さらに8分にもFW野原健太にDFラインの背後に抜け出される大ピンチ。だが、U-18日本代表候補GK中村将(3年)が至近距離からの左足シュートをストップする。

「立ち上がり早々、いきなり失点してしまって、このゲームも苦しくなるなと思った。それでも、ここで崩れて連続失点はいけない。ちょっとでも流れを引き寄せられたと思います。あそこで取られていたら、チームの士気も下がっていたと思うし、自分の長所であるところを出せたかなと思っています」という守護神のビッグセーブが甲府を立ち直らせた。

　中村はその後もシュートストップで力を発揮して神戸のチャンスを封じる。そして後半にも枠を捉えたMF安井拓也の右足シュートを好反応で阻止。ピンチでも落ち着いたセービングで追加点を与えなかったGKは、具体的な指示のコーチングでもチームを支え続けた。

　関東予選では勝てば全国大会出場の決まる町田ユース戦で終了間際に追いつかれて引き分け。プレーオフに回ることとなり、今大会初戦ではG大阪ユース戦で後半アディショナルタイムの2ゴールで逆転負けを喫した。「何回も同じことを繰り返している。(その反省を活かして)全員が責任を持ってやっていると思います」と厳しさをもって試合に臨んだ実力派GKは最後まで集中力を切らさずに守り抜いた。

　本人は「まだまだ失点1している。ゼロになればいろいろな人も見てくれると思う」と納得していなかったが、それでも歓喜の8強進出。次は4強入りを懸けた横浜FMユース戦で相手の前に立ちはだかる。

(取材・文　吉田太郎)

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