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[総体]市立船橋孤高のアタッカー永藤歩が“またひとつ重ねた”悔しさ

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[8.9 全国高校総体決勝 東福岡高 1-1(PK6-5)市立船橋高 ノエスタ]

 異変は突然襲ってきた。前日の準決勝・関東一高戦。前半アディショナルタイムにダッシュをしかけた瞬間、左足太もも裏に弾けたような痛みがはしった。肉離れだった。
「ケガした直後は『もう出られないのか』という残念な気持ちもありましたが、みんな『オレがやってやる』『勝たせてやる』って。攻撃に自信を持っている選手が何人もいるので信頼してました。最後、ユウキ(MF工藤友暉)が決めて嬉しかったです」

 そう語るのは市立船橋高のU-18日本代表FW永藤歩。背番号10を背負うアタッカーは「爆発的なパワーで攻撃に違いを見せられる。ダイナミックな動きをもたらす」存在として朝岡隆蔵監督からの信頼も厚い。

 しかし、本人は練習から常々「気持ちが弱い」と監督に言われ続けているという。「自分、メンタルは強い方ではないんです。新チームの頃から気持ちの面を監督に言われ続けて。言われるからこそ意識する。だから自分がやらないと、と思うようになった」

 だとしたら、決勝を前に肉離れでの戦線離脱に対して忸怩たる思いがあることは間違いない。しかも彼の場合、今回のケガはデジャヴみたいなものだった。

「昨年の選手権予選準決勝ぐらいで、その時は右足太もも裏を肉離れして、悔しい思いをして」。選手権予選決勝では流通経済大柏高に逆転負けをした。「だから絶対大事なところでケガはしないと思っていたのですが、またこういうタイミングでケガをしてしまって・・・・・・またひとつ、悔しい思いが重なってしまいました」

 1度でもこたえる悔しさを2度までも味わった。だが幸いなことに、まだチャンスは残されている。今冬の選手権だ。バネとするには十分すぎるほどの“タメ”は得た。あとはこれまでよりも高くジャンプアップするだけだ。そこに、真の気持ちの強さが加わった時・・・・・・いったいどこまで高みへ到達するのか、期待だ。

(取材・文 伊藤亮)
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